幸せな孤児院での日常描写から一転し、物語は一気に惨劇へと突き落とされます。
正直、子供に対する残酷な描写が続き、痛ましさを超えて感覚が麻痺するほどの厳しさでした。そこから生々しい復讐劇が始まるため、序盤で読む人を選ぶ作品だと思います。
しかし、その壁を越えると、骨太な世界観がはっきりと姿を現します。
「器」とは何なのか。なぜフィオナはこんな目に遭わなければならなかったのか。復讐の相手とは誰なのか。
重くハードな問いが次々と提示され、ダークな世界観が広がっていきます。
序盤の苛烈な描写も、この世界を描くためには必要だったのでしょう。
重厚で陰鬱な空気をしっかり積み上げる筆致が、この先の展開への期待を高めてくれます。
これからの物語が非常に楽しみです。