あなたを非日常へご招待。はうばないすでー by 贄子
- ★★★ Excellent!!!
夜の工業高校に閉じ込められた主人公が、怪物に追われながら出口を探して奔走する──
そんな王道の導入ながら、この作品は“夜の校舎”という空気の重たさを丁寧に描き、恐怖と不穏さが最初から最後までMAXで張りつめてきます。
そしてそこに現れるのが、絶世の美少女を自称しながらも異形を抱えた切崎贄子。
彼女は主人公の味方のようですが、その助け方があまりにも常識外で、安心できない独特の怖さがあります。
“頼れるのに怖い”という矛盾が、この物語の魅力を一段と際立たせています。
怪物から逃げるスリルに加え、世界そのものが狂っていくような違和感がじわじわと積み重なり、読者も主人公と一緒に「この夜は本当に終わるのか?」と疑いたくなるはず。
奇妙で魅力的な登場人物たち(怪物も含めて)が、読者を容赦なく非日常へと連れ去ってくれますよ。
逃げ場のない夜へ……ようこそ。