第十一章
第十一章 旅立ち
ごーーーーん……ごーーーーん
時計塔は 幻のように 鳴りながら 海中に 沈んでいく
ばさっ
オーロラの 帆が みえないエナジーに 広がり
金を束ねたような ロープが びし……と 張った
ざ……
帆船は 朧となりながら 浮かび上がる
地球へ……
ハウルが いった
そして月の至聖所で祈ろう
「ああ……」
何を祈れば?
その問いは必要ない
わかっていた
エレメントが みえず 魔法すらない星……ならば 残るのは愛
「僕にみんながくれたように……愛だけは残るように」
「そうですね」
ティリンが にっこり笑う
「ご名答です エルディア」
「ふふ……僕は 消えそうになりながら!不安な中だったけどみんなの愛が 救ってくれた!だから 地球に 残るのが 相応しいのは何か!」
「愛」
皆が口を揃えた
そうだ その 至宝こそ 星を救うのに 相応しい!
愛よ!
地球を 救え!
至聖所で 祈る 精霊王エルディアに もはや迷いはなかった
祈ろう
ここに 愛が降るように!
地球の 人にこそ 愛あらんことを
海神の短剣に 祈りをこめる
そうして
この星はまた 回り出す
愛の 引力によって
エルディアと時の塔 蒼月を継ぐもの 古都綾音 @earth-sunlight
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