第29話 探検

「ふぅ~~……」


「良かったぁぁ。姫様ぁぁぁ!!」


 いつの間にかこの場に復活していたアセロラが叫びながら駆け寄る。


「姫様、大丈夫?! 何もされてない? 怪我とかもしてない? 変な魔法とかかけられてない?」


 アセロラは本当に姫様のことが大好きなんだなぁ。

 まるで俺にとっての春巻きみたいだ。


「大丈夫よ。何もされてないわ。怪我もしてないし、変な魔法もかけられてないわ」


「ほんとよかった……。姫様と長い時間会えなくなるからあれやだ」


「そうね、いやね。私もいや」


 アロエはアセロラを抱き寄せて頭をよしよししていた。


「アロエはアセロラにずっとついて行ってるんじゃないの?」


 アロエが視線だけこっちを向いて答える。


「そうね、基本はそうよ。ただ、さっき言ってた遠征だけは話が別で長期間にわたるうえにほとんどずっと父上一緒にいなきゃいけないから」


「うん」


「難しいのよ。高いクオリティーの魔法を長時間維持し続けるって。特にアセロラが使ってる魔法は父上ですら感知できないという超高度なものを使ってるから。だから、かなり難しいのよ」


「そうなのか」


「更にねアセロラは一度、死んだことになっている」


 そういえばそんな事あったけ。


「だから、絶対にアセロラの存在を父上に知られてはいけないの。何がなんでもねこれは隠しとおさなければ……殺されるどころじゃないわ」


「そうなのか」


「そうなの、だからこの遠征だけはアセロラは私のそばにいることができないの」


「でも、やっぱ危ないんじゃ?」


 そしたら拗ねたような顔をして……。


「私を誰だと思ってるのよー。ある程度のことなら自分でできるわよ。まぁ、それと父上が限界までガチガチにした警備に囲まれて行くから安全ではあるのよね」


「そうなのか」


 俺、そうなのかしか言ってねぇ。


「まぁ、いいのよそんなことは父上から行かなくてもいいを勝ち取ったからね」


「姫様、流石!」


「ありがとう。ってことでアセロラにお仕事を任せたいと思います。 スプリングロール・マキにこの屋敷の中を大まかにでいいから案内してほしいの」


「えーーーー! 姫様と一緒にいたい」


「お願い。アセロラ。これはアセロラにしか頼めないことなのよ。なんかあったときここに何があるかすらわかんなかったら困るでしょ?」


「でもっ!」


「おねがい」


「わかった」


「ありがとうね、アセロラ」


 どうやら無事探索に行けそうだ。

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