第24話 餃子春巻き

「じゃあ、これ焼いてくれる?」


「わかったわ」


「よろしく」


 最後の工程だとわかっているのか、アロエ凄く真剣な顔をしている。

 

「ロースカツウマイ」


 そしたら魔法陣が光だして……以下略。

 部屋が静まり返ったらそこには、ホクホクの餃子春巻き。


「ふぅ」

 

「完璧だ……」


「流石姫様」


 焼色が綺麗についていて完璧な焼き具合で美味しそう。


「食べよっか」


「あ、うん」


「「「いただきます」」」


 俺は恐る恐る箸を近づけていく。

 二人はもう取っているが俺が食べるのを待っているのだろう。

 そのままゆっくり口へと運ぶ。

 小さいからパクっと口に放り込んだ。


「うまぁ……」


 涙が出てきそうだった。

 時間的にはそんなに経ってないのに春巻きを食べるのがものすごく久しぶりな気がした。

 染み渡る美味しさ。

 やっぱ、春巻き。

 俺は、春巻きがこの世で一番好きだ。

 恋愛とかしてみたいとか思ったこともあったけど、春巻きがあればそれでいっかって思うくらいだった。

 

「「美味しい」」


 いつの間にか二人も食べていた。

 美味しかったらしい。

 よかった。

 いや美味しいのは知ってたけど、レシピはうる覚えだし、油は無いし……。


「よかった」


 でもあれだな。

 やっぱ、油ほしいな。

 美味しいけど、でもなあ。

 やっぱ、あぶら……。


「でもやっぱ、違うわよね。あなたがもってきた春巻きとは」


「だね」


「そうなんだよね、やっぱ油ほしいな。どっかで手に入らない?」


「んーー、そうね。口にできそうなものは無いわね」


「そっかぁ、オリーブとかもない?」


 オリーブ油でもいいんだけどな。


「オリーブはあるわよ」


「そっかぁ、ないか」


 ん? いや?


「あるの??」


「うん。あるわよ」


 ナチュラルにスルーしてしまった。


「オリーブ油が欲しい!」


「オリーブ油? それは知らないけどオリーブなら用意できるわよ」


 オリーブからオリーブ油ってどうやって取るんだろう。

 わからん。

 でも、とりあえず……。


「お願いします!」


「わかったわ」


 俺は、オリーブを手に入れたみたいだ。



 

 

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