第13話 魔力測定
「美味しかった? グラタンは」
「美味かった」
「そっか、機嫌が治ったようで良かった。さ、さっきはごめんなさい」
「ん?」
さっきってなんだ?
「いやあの、私あなたに酷いこと言ってこの部屋を出ていってしまったでしょう?」
あーーーーあれか。
ぜんっぜん気にしてなかった。
「いや別に、俺も酷いこと言ったしごめんな。お互い様だよ」
「ありがと。ちょっと色々あってねピリついてたの」
アロエも大変そうだな。
お偉いさんの一人娘ってだけで苦労しそうだもんな。
ちゃんと謝れるいい子ってことだ。
それは優しい子ってことだ。
要するに春巻きに早くたどり着けるかもしれないってことだ。
「そういうこともあるよな」
「ほんと、ありがとね」
いい子だな。
「そうだアセロラ! あれを持ってきてくれない?」
「承知した!」
って、何かは言わないのかよ。
なんで伝わってんだ。
「ちょっとまっててね」
「うん」
「面白いものを見せてあげるわ」
「姫様おまたせ!」
何やらゴソゴソと棚を漁っていたアセロラが戻ってきた。
「ありがとう。偉いわね、全然待ってないわよ」
それはほんとにそう。
アセロラは人間か? ってくらい行動が素早い。
「ふふっ、姫様に褒められた」
これは重度の姫様(アロエ)オタクすぎてちょ、ちょっときもっ……。
「きm……ぉっ」
「え? なにか言った……」
っこ。
「こわぁ」
「はぁ?」
アセロラが近づいてくる。
俺は思わず後ずさって。
「こらこら、アセロラ。そのくらいにしなさい」
「はぁーーい」
アセロラが姫様の後ろに戻って、俺の肩の力が抜けた。
「ふぅ」
「ほら、じゃあいまから魔力の測定をします」
魔力……?
「ここに指をおいてくれる?」
差し出されたのは派手な装飾のついた金色の円盤真ん中には水晶みたいな透明な石が埋め込まれている。
意味はわからなすぎるが、とりあえず言われたとおりにやってみるか。
俺は言われたとおりに指をおいた。
すると、
「……」
__何も起きなかった。
「え?」
「ん?」
「ふふっ」
なんで笑ってんだ。アセロラは。
「これは、何をしているのかな?」
「えっと、あなたが持つ魔力を測定しているの」
「本来なら石の光る強さとか色で分かるんだけど」
何も起きない。ってことは……?
「あんたもしかして
「そうかも知れないわね」
「むじと……?」
「魔力のない人のことよ」
深刻そうな顔をするアロエと馬鹿にした顔をするアセロラ。
「どういうこと」
当たり前だろ。
人間なんだから魔力なんざねーよ。
「あなたの世界では違ったかもしれないけど、この世界では電気を付けるのにも魔力がいるわ。ここはそういう魔力至上主義の世界なの」
え? まってじゃあ俺大ピンチ?
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