第27話 今度はホントの操り
壁の穴から突入した2人は、不可解な状況に困惑していた。
「なんで1人もいないんすかね...」
少し歩いているが、道中に見つかる人は誰一人としていない。
それらしき気配も見つからないのだ。
「なにかおかしいんじゃない?...例えば、そもそもここにいないとか、嘘ついてるとか...」
といってカエデはモエの後ろのモンスターをじーっと見た。
『私!?いいやいやいや、嘘なんてついてないわよ!』
全力で首を振って否定している。
『そもそも、得がないじゃない第1私がそんなことしたところで。もう少し根気強く探すのよ』
それもそのはず、クネリアが住むこの城には聖女シトリンが使う魔法によって複雑な作りになっており、幻惑を主とした物が張り巡らされている。よって
「あれ?さっきここに来たような....」
「こっちも見たことある景色....」
完全に迷っていた。
結果として2人は同じ場所をグルグルと回っていただけど気づくのは時間の問題で、カエデの風で幻惑の元となる煙を全て吹き飛ばす事で対処をした。
「グリちゃん!ウィンド!!!」
『あいよ!』
辺りが明確になると、それまで何股にも裂けていた道が1本の真っ直ぐなものとなり、開けた広間の場所に2人は着いた。
『ほら、嘘じゃないって言ったでしょ?あとは........待って』
フメイルが私たちの歩みを手で制した。
(どうしたの?)
『誰かいる...?倒れてるわね....』
そう言い、動かないことを確認してから私たちを歩かせた。
そこにはあの時と同じように両腕が無い、でもあの時のように傷は付いていないカルアちゃんが、そこにいた。
「カルアちゃん!!?」
先輩が飛び出して駆け寄る。私もそうしたい気持ちが先走ってしまいそうだったけど、なにか心に引っかかった。
(フメイルが、これまで一緒にいたカルアちゃんの気配に気付かない...?)
先輩がその小さいカルアちゃんの肩を掴み、カルアちゃんはその目を覚ます。
その目はいつもの色ではなく、赤黒い光がささない色になっている。
小さな口から、冷たい声が聞こえた瞬間
「顕現」
「__ッ!?」
その余波で先輩は吹き飛ばされた。
カルアちゃんの身が渦に飲まれ、その姿が変わる。
無くなっていた腕も生え変わっていた。
その途中で中から苦悶の声が聞こえたのは決して幻聴なんかではないだろう。
(また傷付けられて...ごめん.......でも、敵は何処にいるの?)
その周りを見渡してもカルアちゃんが敵と判定するようなモンスターはいない。
『モエ!あの子こっち来るわよ!敵対反応!』
一瞬、判断が遅れた。
カルアちゃんが私たちと戦うなんてするわけが無い。そう考えてしまったんだ。
その体に見合わない巨大な鋏で体を強打され、私も少しだけ後ろに下がってしまった。
(うそ...なんで...?)
『....まずいわね。支配されてるわ、あの子』
支配?
操られてるってこと?と聞くと頷いていた。
その時カエデ先輩が復帰したのかこの現状を見て叫んだ。
「なにやってるの!カルアちゃん!?」
その言葉で後ろにもいることに気づいたのか、振り向くと先輩の方にも武器を向け、駆け出した。
咄嗟に構えた双剣でその刃を取り、先輩はなんとか言葉で辞めさせようとする。
「やめてっ!」
その言葉も、今のカルアちゃんには届かない。
「立ち去れ.....立ち去れ...」
機械的にその言葉を繰り返すだけ。
「先輩っ!カルアちゃん誰かに操られてるっぽいっす!!」
ターゲットを自分に向きかえ、振りかぶってきたカルアちゃんと交戦する。
攻撃は与えずに、尚且つ私も傷つかないように。
そんな精密な作業を私たちはしなくてはならなくなった。
(待ってて、カルアちゃん。絶対に戻してみせますから。)
ええっー!
なんか身体が勝手に戦ってるヨォーー!!!?
また倒れてるかと思ったら私の口から勝手に顕現してましたヮ。
今度はどこなんだい?今なんも出来ないからどこ食べられるかとか応答とか出来んぜ
今度は私の中だけでカランっていった
[左耳]
耳好きだねー。
バリエーションがあるのかないのかわからんよ。
もしかしたらダイスの神は耳フェチなのかな?それともアルカちゃんか
と思ったらアルカちゃんもまた強制的に動いてるじゃないっすかー!
黒い影がまた私の横を通り、左の聴覚が無くなったのと痛みが来た。
痛いよおおおおおおおお!!!!!!!!!!!
「ぐ...ぎぃ”ぃ”......」
呻き声はそのまま放出するんですか?やったー!!!
主人公ちゃん達にしっかり聞かせてやるぜ❤
と思ったらあんまり聞こえてなかったのか反応が悪かった。あちゃ....
というか待ってくれ。
(この状況、病弱美少女が勝手に身体を使わされて敵対行動を取らされてるっていう爆エモシチュ?)
そう考えるとめっちゃいい気がしてきたな!
俄然やる気湧いてきましたぜ!!!!!!!
まあ、身体動かせないんですけどね。よよよ.....
私の身体は命令通りに動いてるらしく、しっかり2人を追い詰めるように戦闘をしている。
でもなんかおかしいんですよ。
主人公ちゃんのグリちゃんは見た目からして進化してないし、モエちゃんはなんかもう第3段階進化くらいの蒼い炎になってるし、パワーバランスヤバすぎないですか!!!?
と思ってずっと見ていると、若干の穴みたいなのが意識の中に見えた。
これって....
(言葉だけ出せるヤツなんじゃ....)
それじゃやることはひとつしかないでしょ
「ッ!モエ!カルアちゃんの様子が!!」
急に動きが鈍くなり、鋏を抱え込むようにして固まったカルアちゃんの口が小さく揺れ、
「.....逃げ、て。...まだ、ここに来ちゃいけ、な....」
最後まで聞こえることはなく、また私たちに敵意を向けて襲いかかってくるが、それでも聞こえた。
(まだ、カルアちゃんはあそこにいる。私たちを自分のことよりも考えてくれてる)
そんな彼女を助けたい。いや、違う。
「絶対に助けるから。それまで、待ってて。」
強く決意した思いを胸に、私たちは一層気を引き締めた。
いいんじゃないでしょうか。
主人公ちゃんはなんか覚悟が決まったような顔でなんか言ってましたけども。
というか主人公ちゃんもなんか姿変わってないすか???
背中から無数に出る剣とかあれもうファンネルだろ!!!!!
馬鹿みたいな強化パッチ入ってます!!!どうなってるんですか!!!
一旦落ち着くためにモエちゃんを見ましょう。
こちらもガンギマってますね。赤じゃなくて青の炎になるだけでこんな熱そうだけど冷たそうなのはなんかとっても怖ーい!
う〜ん.....なんか違う。
ではここでスパイスを少々。
より意識の穴が出来た場所から、解放していた力を解除させる。
右腕でした!!!
元より無くなった場所が再生してただけなので元通りに無くなります。
とっても痛い❤
「う””ぐ”っ”...ぅ”ぎぃ”ぃ”ぃ”っ゜」
無くなった方を抑えるように残りの手で支える。
その時、モエちゃんが呟いた。
「自分で、力を解いたんすか...?」
その言葉でカエデちゃんも気づいたようで、
「だめ!カルアちゃん!私たちは大丈夫だからもう傷つかないで!!」
とまた駆け寄ってくる。
でも気付いてくれ。まだ操られているんですよ!
私(じゃない)はその手を振りほどき、残った片手で鋏をまた持ち2人に向ける。
モエちゃんカエデちゃん.......
悲痛な顔で私を見ている。
それだよそれ!!!!!フォーーー!!!!!
見たかったのはそれなんですよ!
ということでどんどん続けていきましょう。
美少女に傷つけられるのは別にいいもんね!!!
再生しますし!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます