Samurai Saga

@Adrashika

エピソード 1 七番目の過ち

雪に覆われた平原。

冷たい風。

静かに降り続ける雪。


一人の侍がひざまずいている。

その周囲には、深く傷ついた多くの侍たち。

首のない死体――

真っ二つに断たれた者もいる。


「まるで、最終決戦のあとに訪れる静寂のようだ。」


夜明けが近い。

遠くの山並みが薄く浮かび上がり始める。


「今日の朝日は、新しい時代を連れてきたかのように。」


ひざまずく侍の表情には、

もはや絶望の影はなかった。


「まるで、心も――魂さえも鍛え直されたように。」


あたり一面に広がる血の跡。

大きなもの、小さなもの――混ざり合う。


「大いなる戦の、最後の結末。」


静かな村。

その中心には、穏やかで美しい湖が広がっている。

湖には多くの蓮の花が咲き、

水面は深い瑠璃色に輝いている。


村の家々は、どこも落ち着いた空気に満ち、

村の一角は農民たちのための土地として使われている。

その片隅には、一面のひまわり畑が広がっていた。


その村の小さな家で、

少年 Zansh(ザンシュ) は修行を続けていた。


「感情に刀を支配させるな。

 支配された刃は折れ、

 折れた刃は……お前自身を傷つける。」


師匠の声が響く。

深く息を吐き――

わずかに頭を下げる。


Zanshは師を見ると、

静かにうなずき、修行を続ける。


彼は小さくつぶやいた。


「今日は七つ目の失敗……もっと集中しないと。」


視線が鋭くなる。

身体に力が入る。

師匠は組んでいた腕をほどき、

修行を止めるよう合図する。


二人は家の縁側に並んで座った。

Zanshは両手で茶碗を包み込み、

師に尋ねる。


「師匠……そろそろ修行の速度を上げられませんか?」


師匠はゆっくりと茶を飲み、

茶碗を置き、

Zanshを見つめる。


そして目を閉じ、静かに言った。


「Zansh……私は、教える通りに進めと言ったはずだ。」


師匠は立ち上がる。

Zanshはうつむいた。

自分の問いが正しいのか、間違いなのか――分からない。


師匠が腕を組む。

Zanshは茶碗を強く握りしめた。


夕暮れ。

空は赤く染まり、

鳥たちが群れを成して飛んでいく。


Zanshは家の外に立ち、

師匠は戸口に立っている。


Zanshは言った。


「今日も時間をくださり、ありがとうございました。」


師匠はうなずく。

Zanshは振り返り、静かに自分の家へ歩き出した。

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