第8話 なんだかんだ言ってもピロテースが一番エロい

正直に欲しいものを言ったら、クズ野郎呼ばわりされたでござるの巻。


「メイ、俺はクズなのか?」


「自覚が芽生えましたか?それは良いことですね、クズご主人様」


「でもさあ、俺はやりたいことやってるだけだぞ?」


「やりたいことを理性によって制止することなく、本能のまま行う存在はクズですし、禽獣と同等の存在かと思われますが」


「だが、少なくとも俺は、不当に奪ってはいない。野生の獣のように、何もない奴から取り上げたりはしていないぞ。税金は取るが」


「なるほど、知恵が働く分、禽獣よりも厄介な存在ですね。魔族が何かでしょうか?」


「んー、ド失礼。毒舌、毒の乗った舌の味はどんなもんだ〜?」


「ん、むっ?むっ……、ちゅ♡れる……んちゅ……♡」


おっ、こんな舐めた発言をする割に、キスしたら抱きついてくるじゃん、このメイド。腰も押し付けてくるしよぉ、エロくていいね!


はぁ〜、可愛いんだよなあ。


「……っぷは。愛しているぞ、メイ」


「……わたくしも、お慕い申し上げております、ご主人様」




「……で、アタシは、この寸劇を見せられてどうしろってんだい?」


おっと、ダークエルフ。


名前は確か……。


「クルエル。クルエル・マニヤク・ルナテクだな」


「あん?そうだよ、もう名乗っただろ?」


「いや、名前呼んでからフルネームで呼ぶと富野作品っぽくてアドだから……」


「はあ?なにを言ってるんだい?」


「クルエル様、ご主人様は頭がおかしいので、口になさっている言葉の全てを真に受けていると、こちらが疲弊してしまいますよ」


「アンタ従者だろうが?!何だい、その主君の扱いの悪さ?!!!」


ははは。


「可愛いだろ?こんなメイも、夜はご主人様呼ばわりじゃなく、『ジャーク君』と呼びながら腰を振ってくれるんだ」


「……まあ、旦那がイカれているってことは分かってたさ。気にしないことにするよ。で……、アタシらはどうすればいい?」


「何ができるんだ?」


「やれってんなら何でもやるがね……、アタシらの専門は呪術だよ」


ふーん……。


「魔法なら俺も少しは使えるつもりだが、呪術ってのは何が違うんだ?」


「はぁ?知ってるんじゃないのかい?」


「いや、知らないな」


「いやいや……、アンタこれ、旦那さ。この屋敷に張ってあるの、東方タオ術の『風水』と、陰陽師の『陰陽術』を組み合わせた呪陣だろうに」


あー……?


「これは、うちの禁書庫にあった、過去に存在した淫祠邪教の使っていたらしい『性魔法』を応用してカスタムしたもので……」


「それだよ。アンタら人間が『禁術』だの何だのって呼ぶ、『カルトマジック』の一つが呪術ってんだ」


あー。


つまり、魔法が「唐揚げ」だとすると、呪術は「ザンギ」みたいなポジションってことか。実質同じだけど、詳しい人曰く「違うのだ!」みたいな。


「じゃあ俺も呪術を使っていた……、ってコト?!」


「そうだねえ」


「領域展開!!!!」


「は?」


「けどその、呪陣?とか言うの、完成度が低い気がするんだよな」


「あ、ああ。確かに、拙い陣だね。これは、この領域内で性行為をすると、快楽を高めるついでに魔力を蓄積し力を得ることができる……ってなもんだろう?だが、アタシから言わせりゃ素人仕事だよ」


「その辺りに力を貸して欲しいんだわ」


「ああ良いさ。本来なら秘伝なんだがね、アンタには少し、呪術を教えてやるよ。その代わり……」


「なんだ、カネか?今はねえぞ、これから増やすから……」


「アンタが欲しい」


んー?


「何?突然の愛の告白?」


「いや?ガキを産ませろってんだよ。ダークエルフの子を、アンタは認知しな!そしてその子を、この街の要職に就けるんだ」


あはーん?


政略結婚みたいな話をしてんだな、これ。


血縁はこの世界では最も信頼できる契約だ。


もちろん、親兄弟で殺し合って跡目争いとかはあるあるな世界ではあるのだが……、それでも、口約束よりは、血の繋がりってのはよっぽど「上」の契約だよ。


「生活魔法」みたいなオモシロ魔法や、比較的カジュアルに存在している魔法使いのおかげで、生活そのものは本物の中世よりずっと楽。人の多さや豊かさは近世並みだろう。


だが、制度やら何やらはまだまだ中世という、中世ヨーロッパに詳しくない人が考えた「雰囲気中世」……、インターネットで言うところの「ナーロッパ」がこの世界だ。


そんな世界においては、国際法だのの広く知られている明文法は殆どなく、口約束が基本。そして約束は、都合が悪くなればあっさりと破られる……。


けれど血縁、家族を見捨てるってのは、中々難しい。


閾値はあり、見捨てる時はもちろん見捨てるのだが、そこそこ程度の不都合があるってくらいなら普通は助け合うのが家族ってもんだ。


俺がノーミン共の嫡男を人質として預かっているのも、それと同じ。


子があまりにも不利ならば、親であっても見捨てることはある。けど、子が多少不利な程度なら、親は全力で子供を助ける。


だから政治の世界でも、血縁ってのは重視されるのだった。


そしてクルエルは、それを望んでいるらしい。


だけどさあ……。


「失礼ながら、クルエル」


「嫌とは言わせないよ。覚悟があるんだろう?アタシらを従える覚悟が。それに、冗談でもアタシを抱けるとも言った。なら、アタシのような醜いダークエルフ相手にもおっ勃てて貰わにゃ……んむっ?!」


俺はクルエルを抱きしめてキスした。


んー、唾液がヤニ臭いな。


「クルエル、俺を舐め過ぎだぜそりゃ」


「ん……♡ど、どう言うことだい?」


「俺が!お前みたいな良い女に!手を出さない訳ねーだろ!!!!」


「あ、はい」


そんな訳なので俺は、クルエル以外にも、クルエルの側近らしい女ダークエルフを数人屋敷に常駐させて、連日ヤりまくった……。

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