幼馴染だからよくしてやっただけというからこれからは放っておくことにしました。

田村ひさし

第1章 幼馴染と絶縁

第1話 幼馴染だからよくしてやった

※当小説に出てくる地名・学校名等は創作です。もし現実にあったとしても同じものとして捉えぬようよろしくお願いいたします。


 …いつからだろう。いつから俺は彼女からになったんだろう。


 俺、長内瑛士おさないえいじ花見香織はなみかおりと幼馴染になったのは小学1年生の時である。香織たち一家がうちの隣に引っ越してきたのがきっかけだ。まぁ、最初はあんま接することもなく、仲良くもなかった。だが、ある日彼女がクラスメイトから地味だとイジられ、いじめられていたところを助けてからは少しずつ心を開いてくれたのか自然と仲良くなっていった。転機が訪れたのは中学2年生の頃。クラスが別になり、話す機会もなく少し疎遠になっていた頃からある日突然、


「あっ、えーいじっ!♡」


「?…か、香織…久しぶりに話すね。」


「…ぷっwほらね皆!私の幼馴染なのにこんっななのw」


 それが始まりだった。それからは他のやつらにも周りで陰から悪口を言われるようになった。そして、せっかく志望者のほぼいなかったし、あいつの成績では無理であろう八千代高校へ入学したのに…あいつはいた。しかも入学生代表挨拶までしていた。 

 実は香織の父親はそこそこ財力のある会社の社長で、好まないために庶民っぽい暮らしをしているそうで、娘が入学することもあり学校を支援しているそう。そのコネかは知らんがとにかく避けたかった。なのに…


「あはっw同じクラスなんて信じらんなーい!wっ♡」


「…はぁ。」


「!…なにため息ついてんのよ!私からすればだし!w」


 そういわれた瞬間、俺の何かがプツンと切れた気がした。もう俺の中のはいないのだと…。


「…わかった。」


「はぇっ?…」


「俺もお前なんかどうでもいいさ…"絶縁"だ、香織。もう名前を呼ぶのも今ので最後だ。わかったら。」


「ひゅっ…ぇぃ…、」


 彼女の呼吸が一瞬荒くなり、俺の名前を呼ぼうとしているように見えたが俺はその日特に避けるようにして一日を終えた。


 続く

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