ゲイリー

細目 暗

第1話(完)

私はゲイリーを見掛けました。

握手をしました。

とてもいい思い出になりました。

一生の大切な思い出です…。



それは春、というには些か寒い日の夜でした。

汗と血を流し終え、会社から自宅へと帰る途中に私はゲイリーと出会ったのです。

私は感動しました。

「あのゲイリーが日本に来ているなんて!」

上司の心無い行為に精神を磨り減らす日々もゲイリーの、ゲイリーが奏でるメロディー、ゲイリーの紡ぐような歌声が私を支えているといっても過言ではないのですから。

あの褐色の肌、天然だからこそ生まれた美しい筋肉、少年の様で少年の様な、、なんていうかそんな感じの…目、、、とか、あぁ、ゲイリーだ!!



「はぁ↑い↑」

私は勇気を出してアメリカ語で声を掛けた。ゲイリーの取り巻きの二人から訝しげな目で見られる。

「あーゆーげいりー?」

ゲイリーは微笑んでくれた。

「しぇ、しぇいくはんど、ぷりーず」

とても大きいゲイリーの手が私の手を包みました。

「bye-」

私は立ち尽くし、ゲイリーの大きな背中が小さくなるまでずっとゲイリーに釘付けでした。



今日のこの素晴らしいが、例えゲイリーが、ゲイリーじゃなくとも、私がゲイリーをゲイリーだと思えば、これは私の『ゲイリーと握手をした』という大切な大切な思い出なのです。

ありがとう、ゲイリー。

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ゲイリー 細目 暗 @bakamiya

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