この作品は、和平を信じたことで全てを裏切られた女魔王が、自分を辱めた磔台そのものを武器に変え、王国への復讐へ進んでいくダークファンタジーです。
特に印象的なのが、屈辱の象徴だった磔台を自ら担ぎ、復讐の旗印へ変えてしまう主人公シュテンの強さです。巨大な磔台で敵を叩き潰していく戦闘には豪快さがあり、主人公の怒りがそのまま武器になっているような迫力があります。
一方で、シュテンは単に憎しみだけで動く人物ではありません。敵である人族でも救うべき者には手を差し伸べ、自分が傷つけられたからといって他人を傷つけることまで正当化しない。その姿には、魔王でありながら王として人を導いてきた人物らしい筋の通った強さを感じました。
そして、全てを自分の責任として背負おうとする危うさまで描かれていることで、単なる復讐無双では終わらないところも魅力です。
序盤までの紹介となりますが、シュテンたちがそれぞれの喪失と怒りを背負いながら、王国への復讐をどのように成し遂げていくのか、これからも追いかけて行きたいと思います。