ウザ絡み後輩との日々 ―教室でじゃれあう2人(昼休み編)―

のら坊

第1話:昼休みのひとこま

昼休みの鐘が鳴るやいなや――


「センパーイ!」


またまた、カホがやってきた。


「今日はなんだー」


と答えるオレ。


最近はカホの突然の訪問にも冷静に対応できるようになってきた。


カホは当たり前のようにソウヤの前の席に座り、机をくっつけて弁当を取り出す。


「なんか、おいしそうな弁当だな」


「センパイ、わたしのおかずはあげませんよ」


――カホはソウヤがおかずをくれ!と言う前に断った。


「じゃあ、カホに弁当作ってほしいなー」


「カホは料理しないオンナなんです。カホママが作ってるんです」


――にべもない返事。


「そこは“センパイのためなら腕によりをかけて作っちゃいます”だろ」


「センパイ、古臭いです。令和の女子はじゃなくてで勝負するんです!」


(――ん?カホは令和の女子?)


ソウヤはカホの弁当をのぞいて、


「えー、その肉巻きアスパラおいしそうじゃん」と言ってみたが、


「……あげません!」といったん断っておいて――


「大きな声で“カホ、肉巻きアスパラ、アーン”と言ったらあげてもいいですよ」


――いたずらっぽい目をして、カホが挑発してきた。


「さすがに…それは…カホ以外の人間にはムリです」と言うと――


「センパイ!度胸ないですね!」


と言いながら、勝ち誇った顔をして、さらに――


「じゃあ…カホをあげますと言ったら?」


――と、いきなり、ぶっこんで来た。


「それは…何か言うとかじゃなく…自分がいいオトコになってカホを惚れさすもんだろう!」と言うと――


「センパイ!今日イチでいいこといいましたよね!見直しました!」


――カホに見直された。


「…だろう!じゃあ、肉巻きアスパラくれ!」と言ってみたが――


「せっかくカホが感動してたのに…がっかりさせないでください!食べ物目当てみたいじゃないですか!それとこれとは別です!」


――と、切り返された。


(イチャイチャこづきあうふたり――平和な時間が流れる――)


その時、予鈴が鳴った。


「・・・もう、センパイがくだらないことばっかり言うから、カホの用事、全然話せなかったじゃないですか。放課後また来ます」


そう言ってカホは帰っていった。


カホが帰ったのを見て、クラスの女子が用事を言いに来た。


「ソウヤ君、今日の放課後、委員会あるの忘れてないよね!」


「あー、忘れてた!カホに言っとかないと…」


――そしてクラスの女子は心の中でつぶやいた。


(口には出さないけど――みんな生温かく応援しているよ!バカップルさん!!!)


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ウザ絡み後輩との日々 ―教室でじゃれあう2人(昼休み編)― のら坊 @norabou

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