第11話 ​🛠️ 龍の工房と魔弾の量産計画

 神崎亮平は、伊達氏との交渉で提示した三つの要求のうち、最も重要視していた火薬と鉄砲技術の掌握、すなわち秘密工場の建設に進みます。これによって、彼は戦国時代における自らの力を盤石なものとします。


 1. 秘密工場の建設と技術支援

​伊達輝宗は、神崎亮平の持つ**「黄金を生み出す力」と、破壊的な「魔弾の威力」**を最大限に利用することを決定した。片倉小十郎景綱の指導の下、神崎の要求は迅速に実行された。

​「神崎殿。お望み通り、伊達領内の深い山中、人目に触れぬ場所に、鉄砲鍛冶と火薬師を集めた工房を用意した。場所は、米沢城から遠からず、また、有事の際にも守りやすい堅牢な谷底である。これを、貴殿の指揮下に置く」

​ 片倉小十郎は、哀川翔を思わせる鋭い眼光で神崎を見た。彼は、この異国の傭兵が、伊達家の奥州統一にとって**「両刃の剣」**であることを理解していた。

​ 神崎は頷いた。彼の目的は、手持ちの数少ない現代の拳銃弾の残量を気にせず戦える、恒久的な弾薬供給源の確立にあった。

​「感謝する、片倉殿。この工房は、伊達家の未来を築く場所となる。俺が教える技術は、火縄銃の概念を一変させるものだ」

​ 神崎は、現代の科学知識を駆使し、火薬製造の効率化と品質向上に乗り出した。

​ 硫黄と木炭: 既存の材料の精製度を高め、不純物を徹底的に排除した。

​ 硝石: 硝酸カリウムの精製工程を指導し、火薬の燃焼速度と威力を劇的に向上させた。

​ 弾丸(鉛玉): 鋳造技術を改良し、より均一で精度の高い鉛玉の量産体制を確立した。

 2. 「魔弾」と「正規弾」の二重構造

​ 神崎の真の目的は、現代の自動拳銃の弾丸をこの時代で再現することだった。しかし、カートリッジ構造や雷管の技術は、当時の伊達氏の技術レベルでは再現不可能だった。

​ そこで神崎は、工房を二重構造にした。

​ 正規弾製造部門: 伊達軍が使用する火縄銃用の高品質な火薬と鉛玉を製造する。これは伊達氏の軍事力そのものを底上げするためのもの。

​ 秘密研究部門: 神崎自身が指導するごく少数の者だけで、彼の自動拳銃用の特殊な弾丸を研究する。

​神崎は、時の実の魔力が宿った自身の拳銃弾を分解し、その化学的・物理的構造を分析した。結論として、「時の実の魔力」は、弾丸そのものに含まれる特殊な微細な金属と火薬の組成に結びついて発現していることを突き止めた。

​「俺の魔弾は、単なる未来の技術じゃねぇ。魔力増幅装置だ」

​ 神崎は、正規の銃弾とは異なる特別な成分を配合した火薬と、極度に精製された鉛を使って、自動拳銃の弾倉に合うよう、**「擬似的な魔弾」**の再現を試みた。

​ この実験は、極秘裏に進められた。

 3. 奥州の龍、覚醒の加速

​ 神崎の介入による軍事力の飛躍的向上と**無限の財源(黄金を生む力)**は、伊達輝宗の奥州統一への道のりを一気に加速させた。

​ 神崎の指導で製造された高品質の火薬は、鉄砲の命中精度と射程を向上させ、伊達軍の鉄砲隊は、他の大名軍のそれを遥かに凌駕する戦力となった。

​ また、神崎が意図的に**「集中・冷静」の精神状態で使用した魔弾の「瞬間移動」や「時の加速」**といった戦略的な力は、伊達軍の戦術に組み込まれ、無敗の伝説を築き始めた。

​ そして、時は流れ、**梵天丸(伊達政宗)**は元服を迎える時期となった。

 ​伊達輝宗は、神崎の存在を**「奥州の龍の目」と称し、いずれは嫡男である政宗**にその異能を託すことを考えていた。

​ 片倉小十郎は、哀川翔似の精悍な顔つきを真剣に変え、神崎に語りかけた。

『おい!勝俣!』って言うんじゃないかと神崎は思った。

​「神崎殿。輝宗公は、嫡男の政宗公に、この**『龍の工房』**を譲り渡す意向だ。貴殿は、未来の技術だけでなく、未来の戦い方を、独眼竜に教え導いてほしいと願っている」

​ 神崎は、目の前に迫る伊達政宗という歴史上の巨大な存在、そして彼を指導することによる歴史への最大の介入に、静かな興奮を覚えた。

​「よかろう。政宗公が奥州の龍となるなら、俺は、その龍の**『牙』**となろう」

​ 神崎は、手元にある最後の現代の拳銃弾を装填した。彼の新たな、そして最も危険な指導者としての   役割が、今、始まろうとしていた。

​ **梵天丸(伊達政宗)**と出会い、彼を指導することで、未来の知識を教育し、歴史を加速させる!?

​ 伊達輝宗の命で、芦名氏との外交交渉に介入し、魔弾の力を背景に伊達氏に有利な条件を引き出す!?

​ 神崎の**「擬似魔弾」**が完成し、その力を利用して伊達氏の領土を狙う敵将を暗殺する!!?

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