光のありかを知った
@aisa-o_o-
第1話
今回の件、反対してる人がいる? へえ、克紀さんが。
そうです。母の、美里さんの再婚相手です。不可思議なくらい顔が綺麗で、多分美里さんみたいな満たされないお金持ちを狙ったヒモ男だろうと勝手にアタリをつけてました。
その予想はまあ、裏切られなかったです。専業主夫を名乗って、我が家に上がり込んで、いつでも家にいました。なんなら、私の想像が甘かったみたいです。
少しびっくりされたんじゃないですか。実母が、娘をどうでもいいと放置して、義父が噛みついてくるんですから。
多分、ご察しの通りです。
彼、克紀さんは、義理の娘に恋情を抱いたんですよ。困ったものです。でも、どうしようもないんですよね。相手は成人男性で、私はか弱いJKでしかないんですから。抵抗なんて、無いに等しいってこと、分かると思います。
そこからは、家が地獄のようでした。いつでもどこでも、手を出されました。さすがに弟の部屋、弟の目の前で押し倒された時は、驚きましたけど。
バレないわけがないですよね。結局、元々冷えていた美里さんとの仲は最悪です。
でもまあ、暴力を振るわれるようになった分、私と彼女の親子の時間は増えたんですけどね。あんまり嬉しく思えなかったです。
あ、私が今言っちゃったことで、2人とも逮捕とかされちゃうんですか。いえ、特に問題はないです。あの人たちの主な被害者は私なんですから、清々すると答えるのが、一般論じゃないですか。
不憫なのは、弟でしょう。まだ小学生なのに、家族は犯罪者なんですよ。トラウマだって、出来たかもしれないですよね。
実の娘を虐待する母親に、義理の娘を犯す父親。どちらを見ても、まともに育たないと私は思いますよ。美里さんは、口実さえあれば平気で手を上げますから、弟がその手から逃れられるとは思えませんし。今回はある意味、得をしたと言えるかもしれないですけど。
これから先、弟は生きてるだけで後ろ指差されるんです。なんて可哀想な家庭に生まれてしまったんでしょう。本当に、本当に可哀想だと思ったんです。あんな二人の一人息子ですし、恨みかけたこともありましたけど、お門違いだなって気づいちゃいました。
だから、私は弟を殺そうと思った。そうしてあげることが、家族になり切れなかった私がしてあげられる唯一だったんです。姉ではない何かだったはずの私が、彼の姉に本当になれる最後の手段です。
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