僕は僕がわからないから、Vtuberになった。
夜兎 唯
プロローグ
僕って、何のために生きているんだろう。
わからない。
わかっていたら、こんなに傷つくことはなかった。
友達......じゃないか、もう。
ちょっとだけ仲が良かった子も、結局は僕が裏切った。
両親だって、ほぼいないようなもの。
産んでくれてありがとう、なんて微塵も思ってない。
最低な人間だと思う。
けど、仕方がないとも思う。
毎日、僕が料理して。
毎日、僕が掃除して。
毎日、僕が洗濯して。
毎日、毎日、毎日、毎日。
中学も、高校も、通わせてくれたけど。
お金も、僕の口座に振り込まれていたけど。
お金で、愛は買えない。
愛は、そんなに容易くない。
......結局。
一方的に僕が家を出ていった。
金は十分にあったし、高校時代はバイトしていたから苦しい生活ではない。
成人して、口座を新しくして、昔の口座はもう空っぽ。
スマホはでていく少し前に新しいものを買ってもらって、契約は自分でした。
いわゆる、家族とは疎遠した。
もう、何も思わない。
......感情がなくなったんだな、僕。
改めて気がついても、自分のことが他人事だ。
死のうとも思わない。
生きようとも思わない。
生きる意味もないし、死ぬ意味もない。
これと言った得意なこともない。
好きなこともない。
昔から極めていたものもない。
かといって、苦手なこともない。
それも逆に嫌だった。
これは避けて生活しよう、ってことができないから。
凸凹がない。
平坦。
平凡。
だからこそ、こんな人間なのかもしれない。
......いや。
普通、ではない、か。
普通じゃないから、なんなのだろうか。
......答えは、出せるわけがない。
諦めが早いのも、僕の悪い癖。
わかってる。
......。
将来、どうすればいいんだろう。
......まあ、不自由がなければいいか。
こうやって僕の人生は決まる。
......つまんな。
そう思っても、変えられない。
それが、僕。
中途半端で、人生に無頓着な、僕。
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