時空取締局太陽系第三惑星支部

夢朱雀琉鬼

第1話 織田信長

西暦2052年のある日、広島に住む魔人ルキは縮景園にやってきた。


「あれ? ココアじゃん…」


ココアとは、セリカル率いる正義の味方セリカルレンジャーの一員、セリカルグリーンである。

今、そのセリカルグリーン・ココアの前には一人の武将が立ちはだかっていた。

どうやらココアはその武将から友達を守っているようだ。


「大丈夫じゃけん、ショウコちゃん! 後ろに下がっとって!」


ココアはそう言って友達のショウコを背に回し、再び武将の方をキッと睨んだ。


「やいやい、織田信長! 早くここから立ち去りんさいや!」


魔人ルキが驚いて呟く。


「は? 織田信長? どうして信長がここに?」


その時、信長が叫んだ。


「これ、そなた、どくのじゃ! わしは、そこのショウコとやらに、どうしても鯉をしょくさせたいのじゃ!」


セリカルグリーン・ココアも負けじと叫ぶ。


「何、訳分からん事言っとるんね! もうええけ…うちが食っちゃるけん!」


ココアはそう言うと縮景園の池から鯉を掴み上げガブリと噛んだ。間髪入れず信長が叫ぶ。


「あっぱれ!!」


魔人ルキがよろめきながらツッコんだ。


「あ…あっぱれじゃねーよ、信長~!!」




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