おばあちゃんと孫の会話が面白い

室町幸兵衛

ある日の会話

 ある日の事だった。

 娘(大島つむぎ16歳)と俺の母親(恵子69歳)が会話をしていた。


「つむぎ。そのチョッキ可愛いわね」

「チョッキって何?」

「袖のない上着の事よ」

「アハハハ。おばあちゃん古い」

「そう?」

「今はね、ベストって言うんだよ」

「ベスト? なんかしっくり来ないわね」

「そう言われてもベストはベストだから」

「最近は洒落た言い方をするんだね」

「フランス語ではジレって言うらしいけど」

「ジュレ?」

「それは食べ物」


 今まで軽く聞き流していたが、改めて聞くと微妙にズレている所が面白かった。

 娘は高校へ入学し、色んな事を学んで少しづつ成長している。方や全ての家事、育児を終えて余生を楽しむ母。

 この日以来、二人の会話に耳を傾けるようになった。




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