主婦としての静かな生活がこれほど尊いとは。素晴らしい作品です。

致死性ウイルスにより人類の多くが死滅した世界。


異色の終末SF作品です。この物語の魅力は、世界が崩壊した後でさえ、変わらずに存在し続ける「主婦」としての営みにあります。

誰もいなくなった街で、主人公は廃墟となったスーパーから使える食材を調達し、賞味期限切れ間近の缶詰をいかに美味しく調理するか工夫します。電力や水の供給が途絶えた環境下で、生活を回すための工夫や、ロボット犬のケアに費やされる時間。

本作の最大の魅力は、人としての普通の生活は、なんと美しいということです。

そしてなにより、ラストにとんでもないどんでん返しがまっており、読まれた方は、あっと声をあげるにちがいありません。

どうぞ、お読みください。

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