静かな下町の路地奥にある骨董・深山風凛堂には、曰くある「モノ」――呪物がある店だった。
各章ごとに登場する呪物、どれも人の手から手へ渡ってきた物たちであり、それぞれに縁があり、想いがある、願いがある。
呪物として恐ろしい面はあるものの、それぞれの「物」にある物語を知ると、恐ろしいだけでない切なさや親しみを覚えてしまう。
骨董店の主・深山凛一の軽妙で一筋縄でいかない語り口や、一生懸命でちょっと抜けている市原大吾、謎の地雷系女子・月子など、物ばかりでなく登場人物たちも魅力的です。
骨董店に訪れる一筋縄でいかない客たち。そして、彼らが扱う物たちによって巻き起こる不可思議な事件。物に溢れる現代において、人の手によって呪物と化した「物」たちは何を語るのか。
怖いばかりのホラーでなく、登場する人々の変化していく心模様にも目を奪われる作品でした。
とにかく文章がうまいので、安心して読み進められます。
そこに、呪物という気になるキーアイテムが登場することで、先の展開が気になります。
地の文の情報量と会話文のバランスがちょうどよく、話のテンポが心地よい。
恐ろしい存在であった筈の呪物が、凛一の視点で見ることにより、愛らしいキャラクターに変わっていくのが、とても新鮮で面白かったです。
ホラーをあまり読まない私でも楽しめましたので、万人におすすめいたします。
まずは、1話だけでも読んでみてください。
物語に惹き込まれて、あっという間に最新話でした。
完結までがんばってください!