きまぐれどくさい（鬼魔暮　毒彩）

は　じしょう　しょうせつかであるが　うれたものはない。せけんてきに　みれば　タダのフリーターである。もちろん　ほんみょうは　べつにあるが　こじんじょうほうなので　ふせておく。

　どくさいはこんごドクサイと　なまえをカタカナでかくことにしよう　どくしゃのなかには

「かんじでかけば　イイじゃないか」

と　いうものもいるだろうが　わたしは　ふりがなが　めんどくさい　そう　たんなる　わたしの　たいまんが　げんいんである　

　そもそもこれは　ものがたりである　らくごや　こうだん　など　かたりもののときに　ふりがなはない　まえおきが　ながくなった　ドクサイのはなしに　もどるとしよう。

　ドクサイがつりをしている　ばしょは　とうきょうの　きたくにある　いわぶちすいもんあたり　このすいもんにより　あらかわほうすいろから　すみだがわが　えだわかれする　とどうじに　しんがしがわが　すみだがわに　ごうりゅうする　

　もともとは　すみだがわのじょうりゅうが　あらかわであった　おおあめがふると　すぐに　すみだがわは　はんらんした　それをふせぐために　あらかわのみずを　すみだがわを　とおさずに　うみにながす　ほうすいろを　めいじ　たいしょう　しょうわにわたって　ひとのてで　ほった　そして　すみだがわとの　ぶんきてんに　いわぶちすいもんをつくり　すみだがわにながれこむ　すいりょうを　コントロールすることが　できるようになった　さいしょにつくられた　すいもんは　あかくぬられているため　つうしょう

「あかもん」とよばれ　せんごつくられた　よりおおきなすいもんは　あおくぬられているため「あおもん」とよばれる　くわしく　しりたいかたは　すいもんちかくに　しりょうかんがあり　むりょうではいれるので　みてみるとよい　

　また　だっせんしてしまった　ちなみに　いわぶちすいもんのまわりは　つりスポットとしても　ゆうめいで　ハゼ・テナガエビ・ウナギ・コイ・セイゴなどがつれる　しっかりと　どろぬきすれば　おいしくたべられるが　おすすめできるのは　ハゼとテナガエビで　からあげがうまい。

　ドクサイもこのハゼをねらって　つりにきた　さいきんの　はやりとして　ハゼ釣りのエサはホタテがはやっている　ドクサイの　つりざおは　ふるいグラスロッドのリールようのサオで　ほんらいは　ふねでつるときに　つかうものだが　ドクサイは　どこでも　これをつかう　とうぜん　ハゼもなげづりになるのだが　ホタテのエサでは　すぐにとれて　つりにならない　よって　エサはゴカイやアオイソメなどのムシエサになる。

　いきているムシエサを　いきたまま　ハリにさしとおして　すいちゅうに　なげいれる　ときには　いきたムシエサを　いきたまま　みじかくきってつかう。

　ざんこくな　はなしである。それでも　さかなにとっては　ちゃんとしたエサである。ドクサイはいう　

ドクサイ「ルアーやフライは　どうか？にせもののエサで　さかなをだましてつる。もしかしたら　そのにせもののエサが　じんせいさいごの　しょくじかも　しれないのに。じぶんに　おきかえてみて　ほしい　じんせい　さいごの　しょくじが　しょくひんサンプルだったら　どんなきもちか？

　たべるために　つるのは　わかる　りょうしなら　コストのことをかんがえれば　ぎじえもかんがえられる。　しかし　おおくのルアーマンやフライフィッシングをやるものは　あそびである。　にせもので　さかなをもてあそび　リリースといって　じぶんかってな　こうどうを　びかする。わたしには　ゆるしがたいことだ。わたしも　つりをするが　きほん　つったさかなは　たべる　もちろん　たべられないさかな　たとえばフグなどは　リリースするが　きほん　たべるために　つるのだ。じんせいさいごのしょくじ　それに　つりばりをしこみ　だまして　つることに　かわりはないが　せめて　ほんもののエサで　だましたいのだよ　それが　わたしの　りょうしんだ」

かたりながら　ドクサイは　アオイソメのあたまを　ゆびでひきちぎり　きずぐちから　つりばりを　さしこみ　あばれるエサとともに　しかけをかわに　ふりこんだ。