第9話 入院8日目〜10日目 燃える様に熱く凍える様に冷たい
激痛が始まる。発熱もあり、眠れない。
9日目、10日目、痛みと苦痛との戦いだった。焼けるように痛んだかと思えば、氷のように冷たい感覚にもなる。体中が燃えるような熱さを感じたかと思うと、氷を押し付けられているような苦痛がくる。
これ以降しばらくはメモを残したり、何かを考えている余裕は全くなかった。
人間の肉体の脆さを嫌というほど思い知らされた日々だった。
今後の人生、もっと辛い事はあるのかも知れない。
だったらもうそんな思いをしてまで生きていたくも無いなあ、とまで思った。
自分の弱さを痛感した。
二度と思い上がって「明日は明日の風が吹く」とか「人間、一度しか死なないよ」などといった、強い人間ぶった考えを持たないように戒めとしよう。
喉元過ぎても、この熱さは忘れたく無い。
この先、日付が一気に飛ぶ。これは、前述の通り手術後の痛みと精神的な辛さから何か考えを巡らせたりする気持ちにもならなかったからだ。
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