第13話 天罰と『法』の確立 〜 宗麟、九州を睨む
🌋 九州の咆哮:桜島大噴火
時代:天文19年(1550年)晩秋
場所:豊後府内・大友館
大友義鎮(宗麟)(窪田正孝)が、入田親誠を粛清し、家臣団に冷徹な『法』を敷き始めて数ヶ月。豊後府内には、父殺しと恩人斬りという血の呪いが、重い空気となって垂れ込めていた。
その晩秋、遠く薩摩の桜島が、歴史に残る大噴火を起こす。噴煙は天を覆い、大量の火山灰が豊後府内にも降り注いだ。
人々は恐慌に陥り、これを**「当主・義鎮が犯した罪への天罰」**だと囁き始める。
家臣A:「先代様を死に追いやった血の報いだ…天が我々を見放したぞ!」
家臣B:「災いは、義鎮様が**『情』を殺し、『法』を敷いた**からだ!」
🥶 義鎮の対応と『王の威厳』
混乱する家臣団の中、**義鎮(窪田正孝)**は一人、噴火によって灰に覆われた庭に出て立ち尽くす。灰を浴びながらも、彼の表情は動じない。
義鎮:「天罰?笑止」
彼は冷静に、灰の除去と被害状況の調査を家臣団に命じる。
義鎮:「天変地異に動じるな。天の怒りも、人の動揺も、**儂の『法』**の前では無力だ。この災いこそ、**大友家の腐敗を一掃する『天の洗礼』**と思え」
義鎮は、この天災を利用し、家臣団の私欲や旧習を打ち破る強権的な改革を一気に断行する。彼の冷徹な対応は、家臣たちに恐怖とともに**「この王は凡庸ではない」**という畏敬の念を抱かせた。
📜 脚本家たちの議論(現実パート)
場所:新生・制作会議室
時間:同時期
伊武監督が撃たれた事件後、吉田栄作プロデューサーは行方不明となり、制作体制は脚本家の鷹山と大下ユージ、そして新たな執行役員プロデューサーの西郷(鈴木亮平)の三頭体制となっていた。
西郷P:「桜島噴火…すごい演出ですね、鷹山先生。義鎮の冷酷さが際立ちます」
鷹山:「天変地異は、王の**『業』を映す鏡です。この噴火は、宗麟が自分の罪を正当化し、『王としての孤独』**を受け入れる決定的な瞬間です」
大下ユージ:「しかし、噴火によって被害を受けた領民の描写が少なすぎる。宗麟は、この災厄を機に**領民への『慈悲』**を示すべきだ。そうでなければ、後のキリシタン大名としての彼の行動が、ただの狂気に映る。」
✝️ 宗麟の信仰の萌芽
鷹山:「狂気こそが宗麟の本質です。ただ、その**『冷酷な統治』に耐えきれず、彼は人知を超えた『別の神』**に救いを求め始める」
鷹山は、噴火の混乱の中、義鎮が南蛮から伝来したばかりの小さな十字架を密かに握りしめるプロットを提案する。
義鎮:「人の情も、血の法も、この虚無を埋められぬ…」
⚔️ 九州制覇への第一歩
場所:豊後府内・評定の間
天災による混乱を収束させた義鎮は、家臣団に対し、隣国である肥前や筑前への積極的な介入を命じる。
義鎮(窪田正孝):「我が大友家が、この九州を平定し、乱世を終わらせる。これこそが、天命である」
「二階崩れ」によって内部を固めた大友氏は、義鎮の冷徹な指導力のもと、領国拡大という次のステージへと歩み始める。
**田口鑑親(松重豊)**は、義鎮の背中を見つめ、静かに呟く。
田口:「このお方は、もはや血の通った人間ではない。我々が継がせてしまったのは、冷たい炎を宿した王だ…」
ナレーション:「天の怒り、桜島の噴火は、大友宗麟という**『呪われた王』**の冷徹な統治を後押しした。彼の瞳が次に捉えたのは、九州全体。宗麟の覇道は、血と灰の上に、今、本格的に開始された――」
次なる展開は、大友宗麟が**「九州の王」となるための、宿敵毛利元就**との熾烈な戦いを描くことになります。
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