第18話 第三階層ボス『コード・ゴーレム』の瞬殺
亀裂の先は、第三階層の「上書きコード」が噴出する巨大な空間だった。
そこにいたのは、結晶化したシステムエラーの塊であるボス『コード・ゴーレム』。
このボスは、自身の受けたダメージを即座に周囲のシステムデータに上書きし、
HPを自己修復するという特性を持つ。
正規の攻略法では、システムが書き換わる前に一瞬で削り切る、極限の火力が求められた。
カキは、コメントがない状況で、過去の経験と効率至上主義の直感に頼るしかなかった。
バグ技(無限ループ・献上バグ): カキは、初期ナイフの残像判定と、ゴーレムの自己修復能力の「発動トリガーのラグ」を利用した。
カキはゴーレムの核をかすめ、最小限のダメージ(データ)を与える。
ダメージを受けたゴーレムは、それを修復しようと「システム修復コード」を発動。
カキは即座にナイフを高速で納刀→抜刀し、ゴーレムが発動した修復コードのデータを、ゴーレム自身のダメージ判定に上書きした。
結果: ゴーレムは、「自分自身を修復しようとするコード」を、
「自分自身にダメージを与えるデータ」として認識し、
システム内で無限のループエラーに陥った。
視覚効果: 巨大なゴーレムの身体は、修復と破壊のデータを同時に処理しようとして青と赤の光を交互に激しく放ち、「献上(Surrender)」を示すかのように崩れ落ちた。戦闘時間、1.5秒。
カキは、コメントがない状況で、過去のRTAの経験則と効率至上主義の直感に頼るしかなかった。
カキ(モノローグ): 「修復能力を持つボスに、火力をぶつけるのは正規ルートの無駄だ。初期装備の俺が勝つには、敵の行動をトリガーにして、システムの自己矛盾を誘発するしかない。ゴーレムの修復コードのデータを、ダメージ判定に上書きさせる……これしか、初期ナイフで瞬殺できる「最短解」はない」
この直感こそが、カキが【未来RTA配信コメント閲覧】で積み上げてきた、バグ技RTAの頂点だった。
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