9日目

調査9日目 2022年12月31日

掲示板スレッド:オカルト・奇譚

きさら◯駅からの帰還方法を急募します(Part 9)


タイトル: 集落へ入りました。赤い道筋と、沈黙の村

投稿者:Akari . T

投稿日時: 2022年12月31日 12:00

カテゴリー: 異界・都市伝説の危険性


Part 8の続き。


覚悟を決めた直後、駅舎の出口から、アスファルトの地面に血管のような赤い道筋が浮き上がりました。私たちはその導きに従い、ついに駅の敷地を出て、集落の内部へと侵入しました。


現在の潜伏場所は、村の入り口付近にある「社務所」あるいは「集会所」と思われる、木造の古い建物の中です。


村の様子は異常です。家々は軒並み崩れかけていますが、生活用品がそのまま残されており、まるで住民が「ついさっき蒸発した」かのような状態で時が止まっています。そして、駅と同じく、ここも「平成三年」の空気で満たされています。


今のところ、例の「生気のない村人」には遭遇していません。しかし、遠くの山の方角から、絶えず低い太鼓のような音が響いています。あれが「祭り」の音でしょう。


この建物の中で、いくつかの古い資料を発見しました。ここが廃村に至った経緯、そしてこの地に伝わる「鬼」の伝承に関するものです。


ナリさんと共に資料を精査し、祭りの会場(呪いの中心)へ向かう準備を整えます。



 ◇



コメント欄 (計 12件)


No. 98. ユーザー名: Akari . T信者 投稿日時: 2022年12月31日 12:05

コメント本文: ついに村に入ったんですね……! 無事でよかった。でも、前回襲ってきた村人はどうしたんですか? まさか、どこかに隠れているんじゃ……。絶対に音を立てないでください。


No. 99. ユーザー名: 廃村マニア 投稿日時: 2022年12月31日 12:10

コメント本文: 生活用品が残ったままの廃村、ゾクゾクするな。「夜逃げ」か「神隠し」か。その社務所、カレンダーとか残ってないか? 平成三年の七月で止まってるなら、そこは完全に「あの日」の村だ。


No. 100. ユーザー名: ネットの真実 投稿日時: 2022年12月31日 12:15

コメント本文: 記念すべき100ゲット。つーか、赤い道筋って完全に罠だろ。誘導されてるだけじゃねえの? 祭りの会場に行ったら、お前らが「メインディッシュ」として皿に乗せられるオチが見えるわ。


No. 101. ユーザー名: 通りすがりの古参 投稿日時: 2022年12月31日 12:20

コメント本文: >>Akari . T 太鼓の音に気をつけろ。それが近づいてきたら、儀式が動いている証拠だ。社務所の資料は重要だ。なぜ「鬼晒し」なんて風習が生まれたのか、その起源が分かれば、呪いを解くヒントになるかもしれない。


No. 102. ユーザー名: ゲスの極み 投稿日時: 2022年12月31日 12:25

コメント本文: 廃村の家探しとか楽しそうだな。タンスとか漁ったら、当時の金目のものとか、エロ本とか出てくんじゃね? ナリちゃんと一緒にお宝探し配信してくれよ。


No. 103. ユーザー名: 地方伝承研究会 投稿日時: 2022年12月31日 12:30

コメント本文: >>Akari . T 「蒸発したような状態」……これは、集落全体が突発的な事象で時間を凍結されたことを意味します。駅長室の資料にあった「完全な鬼晒し」の前段階として、村全体が「異界」に取り込まれたのかもしれません。


No. 104. ユーザー名: Akari . T 投稿日時: 2022年12月31日 12:40

コメント本文: >>98, >>101 村人の気配はありませんが、視線を感じるような重圧感はずっとあります。資料読み込みを急ぎます。>>100 罠かもしれませんが、進むしかありません。>>102 そのような余裕はありません。


No. 105. ユーザー名: 怖いもの見たさ 投稿日時: 2022年12月31日 12:45

コメント本文: ナリちゃんはどうしてる? 怖がってないか? 吊り橋効果でAkariに抱きついてたりしない? そういう描写も大事だぞ、ルポライターならな。


No. 106. ユーザー名: 考察班 投稿日時: 2022年12月31日 12:50

コメント本文: 鬼の伝承か。「鬼隠し」が「誘拐」なら、「鬼晒し」は「見せしめ」。誰に対する見せしめなんだ? 神(鬼)にか? それとも村人にか?


No. 107. ユーザー名: Akari . T 投稿日時: 2022年12月31日 13:00

コメント本文: >>106 その答えに近い記述を見つけました。「鬼神への供物」に関する記述です。写真を撮る余裕がないため、内容を書き起こして共有します。


No. 108. ユーザー名: 名無し 投稿日時: 2022年12月31日 13:15

コメント本文: うわ、ガチのやつじゃん。早く貼れ。


No. 109. ユーザー名: コメントだけ読む人 投稿日時: 2022年12月31日 13:30

コメント本文: この村、元々ヤバい風習があったのを、駅長が利用したってことか? それとも駅長も被害者? 謎が深まるな。



 ◇



ボイスメモ / 橘あかり 朱色の道筋

記録日時: 時間の歪みで記録されない


(記録開始。砂利を踏みしめる二人の足音。風の音はなく、不気味なほどの静寂。遠くから、重く低い太鼓の音が断続的に響いている)


Akari: 「(小声で)ナリさん、足元を見て。この赤い筋の上を歩いて。絶対に逸れないで」


ナリ: 「(震える声)……赤い。血みたい。……ねえ、Akari。空気が……重い。駅の中にいた時より、ずっと」


Akari: 「ええ。ここが呪いの中心に近いからでしょう。……大丈夫、誰も追ってきていない。私の『覚悟』が、道を作っている」


ナリ: 「……家が、見える。あの看板も、あの車も……。全部、あの時のままだわ。平成三年の、お祭りの日のまま……」


(太鼓の音が少しだけ大きくなる。ドォン……ドォン……)


ナリ: 「(息を呑む音)ひっ……! 太鼓の音……。近づいてる?」


Akari: 「(冷静に)いいえ、まだ遠いわ。山の向こう。……ナリさん、私の背中だけを見て。周りの景色を見ないで。記憶に引きずられないで」


ナリ: 「……うん。……Akariの手、温かい。……お願い、離さないで」


Akari: 「離さないわ。……あそこに建物が見える。神社の社務所みたい。あそこなら隠れられそう。一度入って、状況を確認しましょう」


(足音が早まり、古い木造の引き戸を慎重に開ける軋んだ音が響く)


(ボイスメモ 終)



 ◇



資料タイトル: 社務所で発見された記録群(抜粋)


発見場所: 集落入口の社務所(集会所)。埃を被った木箱の中から発見。


1. 杵裂村郷土誌・伝承編(手書きの写し)

『鬼神(きじん)と青滝の淵』


古来より、この村の奥、青滝川の源流にある洞窟には「鬼神」が棲むと伝えられる。


鬼神は、村に豊穣をもたらす守り神であると同時に、数十年に一度、村に大きな災い(水害、疫病)をもたらす荒ぶる神でもある。


災いを鎮めるためには、「異邦の者」あるいは「村の中で役割を失った者」を選び出し、「名」を奪った上で、境界(村と山の境)に「晒す」必要がある。


これを「鬼晒し」と呼ぶ。晒された者は、鬼神の供物となり、現世からその存在を消される。



2. 村役場 議事録断片(昭和末期〜平成初期)

『過疎化対策と祭りの存続について』


議題: 若者の流出と鉄道(杵裂線)の廃線危機について。


発言要旨:


「祭りの担い手が足りない。このままでは『鬼晒し』の儀式(※形式的な神事として残っていたもの)すら執り行えなくなる。」


「祭りを絶やせば、鬼神の怒りに触れ、村は滅びる。」


「廃線になれば、村は完全に孤立する。何としても祭りを成功させ、観光客を呼び込む、あるいは……(以降、文字が乱れて判読不能)」



3. 行方不明者捜索願いの控え(綴り)

期間: 昭和50年代〜平成3年


村内で発生した複数の「行方不明事件」の記録。


特徴的なのは、行方不明者のすべてが「村の外から訪れた若い女性」ばかりである点。


警察への届け出は形式的に行われているが、備考欄に「神隠し」「山へ入った」といった、捜索を早期に打ち切るための理由付けが散見される。


【Akariの考察】 この村では、過去から「鬼晒し」という生贄の儀式が、村の存続を守るためのシステムとして機能していた可能性がある。しかも、その標的は明確に「外部の若い女性」に絞られている。私やナリさん、そして過去の事件の被害者たちが選ばれたのは、偶然ではない。駅長は、平成三年の廃村の危機に際し、この古い儀式を「呪い」として再起動させ、駅という異界に取り込んだのではないか。

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