第3話
(スキルレベル1)
翔太の身体が重力に逆らい、一瞬だけ時が止まったかのように感じられた。ボールを抱えたまま、彼は相手の頭上を飛び越えていく。
着地した翔太は、そのままコートの端まで走り、勢いそのままにリングに向かってボールを投げた。
ドォン!
ボールはリングに当たって跳ね返り、そのままアウト・オブ・バウンズになった。
「あー、惜しい!」とケンジは悔しがるが、コート全体が静まり返っている。
翔太自身も呆然としていた。今の動きは、完全に無意識だった。ただ避けようとしただけだ。そして、彼はもう一度、その半透明の画面を見た。
そこには、彼の身体を覆うように、新たなテキストが表示されていた。
【超特殊能力】の継承が確認されました。
「バスケの神……?」
翔太は、自分の手のひらに残るボールの感触を確かめた。そして、初めて、この「丸い玉を使った運動」に対して、抗いがたい興奮と期待を覚えたのだった。
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