翌日、彼女のクルマで拉致され、連れて来られたのは海浜公園の河口際の堤防。

 で、彼女がクルマから取り出した長い物は……ライフル(笑)じゃなく釣り竿だ。


  「さあ! 天ぷらのをバンバン釣るよ!」と意気込む彼女に

「何をじゃい?!」と思わず突っ込む私は……次の瞬間、彼女がクーラーボックスから取り出した物に悲鳴を上げた!!

 よく、スーパーで見かける佃煮が入ってそうなペラペラのプラスチックの透明パックの中身がウネウネと動いている!! 

 遠目からでもミミズみたいなのがてんこ盛りなのが分かってしまった!!

 

 キャンピングチェアから転げ落ちんばかりにドン引きした私にはため息をついた。


「釣りにエサイソメは付き物でしょうが……ま、どうせそんな事だと思ったから、昨日のベビーホタテでアンタ仕様の釣りエサを作って置いた」と細切りされたベビーホタテの入ったタッパーを渡された。

「ビールのアテにはするなよ!」との言葉に「誰が!!」と返しながら私は釣りの準備を始めた。

 とは言っても……殆ど彼女にやってもらったのだが。

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