第2話 僕は普通に生きたいだけなのに、、、


遠回りで帰れば安全。そう思っていたのに、辿り着いたのは――主人公のバトル会場の裏路地だった。

(ここ今日の戦闘イベントの場所じゃん!)

ドォン!!と爆発音。風圧で前髪が跳ね上がる。普通に死ぬ距離だ。

「上書き。壁、頑丈になる」

壁が分厚くなり、同時に胸の奥で“カツッ”と何かが削れた感覚が走る。

(やっぱりデメリットあるよな……俺の描写、減ってない?)

壁の向こうで主人公が叫ぶ。

主人公:「そこだッ!!」

敵が吹っ飛び、一直線にこちらに向かって吹き飛ぶ。

バリっバリ!!

分厚い壁がぎりぎり耐えた。

(危なすぎる。ほんとモブを殺しにくる世界だな)

そのとき、地面がジジッとノイズのように歪み、白い“余白”が生まれた。

通行人の動きが急にコピペになる。

(作者背景描き忘れてるだろ。絶対締め切りヤバいじゃん、、、)

もちろん、この異常に気づくのは僕だけだ。

クラスメイトAがコピペモブの横を普通に通過していく。

(気づけるの僕だけって、逆に怖いんだけど……)

バトルが終わり、主人公とヒロインが街の中心へ歩いていく。

完全にエンディングの空気だ。つまりここにモブが隠れてるのは不自然極まりない。

「上書き。僕の足音、消える」

また一行、僕の存在が薄くなるような感覚。

それでも、見つかったら大惨事なので贅沢は言ってられない。

音もなく裏路地を抜け、やっと息を吐く。

(これだよ、モブは本当に命がけなんだって)

(ガチで気を抜かずに作者の書いてる内容見ないとすぐ死ぬぞこれ)

純太は不安が募りながら家に着いた。





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原稿の裏でぼくは、、、 kkariumuひいいいいい @110403230616

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