第2話 金担保通貨と債務リセットの構造

いま世界の経済は、静かに「信用創造」という夢の終わりを迎えようとしている。

銀行はこれまで、実際に存在しないお金を「貸し出し」という形で作り出してきた。

それは“信頼のバブル”とも言える構造で、実物の価値が1なら、金融の世界ではその100倍の数字が飛び交っている。


この仕組みは、金や資源といった「実体」を裏づけにしていないため、

信頼が揺らいだ瞬間に崩れる砂の城だ。

そして今、新しい通貨システム ― 金や資産を裏づけとする「金担保通貨」への移行が進み始めている。


ここで起こる最大の問題は、

「実体経済と金融の数字が釣り合わない」 ということ。

もし世界中の借金をそのまま残したまま移行すれば、

通貨の裏付け(金)の量と整合性が取れず、

国も企業も家計も立ち行かなくなる。


つまり、“債務リセット” は政治の善意でも陰謀でもなく、

数学的に避けられない「会計の整合処理」 なのだ。


金は増やせない。

だから、膨れ上がった「数字だけの資産」――

国債、ローン、デリバティブ、仮想通貨、株式バブルなど――

これらはすべて幻影として消えていく。


その後に立ち上がるのが、

「実体資産を基礎にした新しい通貨システム」。

これは天照大神が岩戸を開くような瞬間だ。

虚構の経済が崩れることは、恐怖ではなく、

真の“循環”を取り戻すための解放でもある。


今は世界が同時にこの「棚卸し」を進めている。

ISO20022という国際規格で金融台帳が統一され、

全地球的な同期の準備が整いつつある。


お金の光がもう一度“信頼”として動き出すために、

一度、古い通貨世界が静かに幕を閉じようとしているのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る