ウィスキーの魅力を語るエッセイ――そう思って読み始めると、いつの間にか人生そのものについて考えさせられている。
スコッチの長い熟成、「天使の分け前」、オン・ザ・ロックの氷の音。そんなウィスキーの蘊蓄から始まり、話は年齢を重ねること、人と人との関係、夫婦を形作るハーモニー、競争と共生へと広がっていく。
とりわけ印象に残ったのは、「複雑だから美味しい」という感覚だ。若さには若さの良さがある。しかし、成功も失敗も、喜びも苦さも経験してきたからこそ分かる味がある。それは長い年月を樽の中で過ごしたウィスキーにも、人の人生にも通じるのだろう。
真面目な思索の合間には、思わず笑ってしまう言葉遊びもしっかり挟まる。そして最後には、Whiskyから「We 好きー」へ。
知識とユーモアと人生哲学が一杯のグラスの中で混ざり合った、まさに青山ワールド。ウィスキーを飲む人にも、飲まない人にも、少し人生を重ねた頃に味わってほしいエッセイだ。
若いころはなぜかオールドを飲んでいた(たいていは二次会でか、人のおごりでか)私ですが、最近は、ほぼ毎日トリスウイスキーを飲んでいます。
大昔の西鉄ライオンズのビデオに出てきた、平和台や後楽園の左翼席の下の壁の宣伝にあるあの文字を見て、それから、飲むようになりました。
すでに当方56歳。もちろんうまいウイスキーを飲んだこともあります。
ですが、安く気軽に、しかしあの味をたしなむのが、実に乙ですね。
高価なウイスキーばかりじゃなく、安物でも、存外気楽にウイスキーは楽しめるものです。
と、ウイスキーの名誉のために、一言、もうしておきます。