GAME Over

「私、明日死ぬんだ」


耳になじんだ声。

僕はゆっくり目をあける。


「なんでもない。忘れて。」


疲れた顔で笑う彼女。


「ねえ、今日泊まって。」


僕は彼女の手をつかんだ。


「いいよ」

少し考えて彼女がうなずいた。


夜、目が覚めた。

ベッドの隣は何もない。

シーツはまだ生温かかった。


スリッパの音がする。

ベランダの方に人影があった。


「待って、なんでこんなことするんだよ!?」


僕はただ無我夢中で駆け寄った。


でも間に合わない。


「ごめんねもう疲れたから。」


日付が変わる頃

彼女はベランダから飛び降りて死んだ。


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