自由律俳句 『無題』
とろり。
星空は世界遺産のように眠る 含め50句
壊したいだけ壊したい僕の心
青空が海に融けてゆく一体感
苺がストロベリーなのかストロベリーが苺なのか
隙間を塞ぐとそよ風を忘れた
灰色の雲が汚れているようで洗濯
アンテナで受信した喜怒哀楽
旅の友達のようなリュック
五感で感じる世界の悲しみ
雨上がりの水溜まりに映る平行世界
雫のような涙のような、雨
テレビドラマを観なくなった僕たち
屋根に上ると落ちることを考える
観覧車のように回るアナログ時計
在るようで無かったオアシス
心の砂漠を潤すために笑う
椅子に座ると立ちたくない
ベッドに横になると起きたくない
心と体の正体が分からない
膨らみすぎた風船に針を刺す
綿菓子の袋には小さな夢が隠れてる
スーパーコンピュータとスーパーマンの戦い
一番じゃないと
茶髪に染めたい衝動に怯える
ポケットに手を突っ込めば少し不良になった気分
ネオンがやけに眩しい
星空は世界遺産のように眠る
財布の中には金と人情
物忘れと墓参りの夏
カキ氷のシロップはブルーハワイ
浮き輪のような浮き輪肉
メタボ気味の腹をどうにかしたい正月
どこまでも続くルート案内:目的地=天国
浜辺の砂を砂時計にして三分
太陽のような地球の夏
さざ波の音が太く聞こえる冬
炬燵と猫と僕のかたまり
トイレットペーパーの芯のような弱さ
折りたたみ傘のように小さくなりたい
足と脚の違いが手と腕に似ている
川は下に行くほど穏やかになる
青信号を待つ人と赤信号を待つ人
交差点に入り混じる他人
ろ過すれば綺麗になる雨水と人
ポストに出した年賀状ポストに入っていた年賀状一枚
広告紙か新聞紙か区別がつかなくなっている
鍵を閉めたのは自分だから自分で鍵を開ける
心が散らかったままの年末
ベルトで結ばれた一時的な絆
明日のことなど今は分からない
心の底の無意識の生命力
自由律俳句 『無題』 とろり。 @towanosakura
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