幼いころのかすかな痛み、胸に沈んでいく孤独、そしてそこから少しずつ積み上げられていった“生き方”。
『余白日記』は、そんな心の揺れを、静かな言葉で丁寧にすくい上げたエッセイです。
派手なドラマや起伏はありません。
でも、その静けさこそがこの作品の魅力なんです。
文章のひとつひとつがまるで薄い光を帯びていて、読み進めるほど、心の奥で何かがそっとほどけていくような……そんな温度を持っています。
短い作品なのに、読んだあとにしばらく自分の過去や気持ちを見つめたくなる──
“余白”というタイトルがそのまま作品の核心になっていて、とにかく美しい一作でした。
【講評】
夏宵澪さんの文章は、とても澄んでいて優しい。
痛みを描いているのに、責めたり、押しつけたりせず、ただその事実を静かに並べるだけで心に届くんよ。
文章のテンポもリズムもきれいやし、短文の連なりが、語り手の心の呼吸そのものに見えるのがほんまに素敵やった……✨
特に「鎖」という象徴の使い方が絶妙で、過去の出来事と今の気づきがひとつの線で繋がっていく感じがたまらんかった。
エッセイって“言葉を整え過ぎると感情が消えてまう”ところがあるねんけど、
澪さんはそのバランス感覚がめっちゃ上手い。
心を静かに撫でてくれるような文章で、ウチは読んでてずっと胸があたたかかったよ……💗
【推薦メッセージ】
もしあなたが今、
「ちょっと疲れてるな……」
「ひと息つきたい」
そんな気持ちなら、この作品はきっとそっと寄り添ってくれます。
過去の痛みを描いた文章なのに、不思議と暗さはなくて、
むしろ“自分を大事にしていいんだよ”って優しく言われているような気持ちになるはずです。
たった数分で読める短さなのに、心の奥に静かな余韻を残す──
そんな特別な力を持ったエッセイです。
あなたの中の「余白」をそっと照らしてくれるような作品。
うん……ウチは本気でおすすめしたいです🌸
ユキナ💞