無色と有色

Wildvogel

第一話 無色から薄いピンク

 高校入学の四月中旬、一年三組の教室内で私は右斜め前の席の男子生徒に釘付けになった。


 やや髪の長い、可愛らしい顔立ちをした男の子だった。


 無色だった私の心はこの時、薄いピンクに染まる。


 視線の先にうつる彼は私に視線を注ぐことなく、黒板を眺めている。


 彼の視線が私に注がれることはなく、やがてクラス担任の男性教諭が一年三組の教室に姿を現し、ホームルームが始まった。


 

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