第11話 不思議の森

 〜数日後〜


 私は和希様を連れて近くの不思議の森にへとやってきていました。


「随分と深い森だな。こんなところにシエルのお師匠がいるのか?」


 と聞かれたのでこう返します。


「お師匠は人嫌いなところがありまして...。私が人のための役に立ちたいと言い張った時にも最後まで反対してましたが、何年も言い続けてたらようやく折れてくれました。それでも【大賢者】の称号を持ちレベルが100を超えている【人類】は私の中ではお師匠様だけなのでクラスアップについても何か知っているかもしれません」


 その言葉を聞いた時に和希様はこう呟きました。


「まあ、できれば早めにクラスアップしたいところだな。今でも経験値がずっと溜まっているからどれだけレベルアップするか楽しみだ」


 そう...和希様の召喚は完全自立型の高位召喚術で今の【人類】では到底真似できない深淵の底まで探究した結果あっての魔法だと思います。


 普通の召喚獣なら召喚者から精々100メートル程度離れられれば優秀とされているので、これだけ離れていても完全自立して自分の意思で動ける召喚術なんて聞いたこともありません。


 なんなら上級クラスの魔導書の中にすら出てこないので、もはや夢物語レベルの代物でした。


 そのくらいすごい存在である和希様がいまだに【弱体術師】と言う下級職業であることに驚いています。


(どう考えても行為の【グランドサモナー】とかだと思うんですが...)


 私は和希様のことをチラチラと見ながら案内を続けるのでした。

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