2章 第5話
ダンジョン?に入った後
俺が先頭、ミストレアが中間、リーフローラが後ろといった順番で、道を俺たちは進んでいた。
その陣形の中でしばらく歩いていたが、俺たちは途中で足を止めた。
「子供?」
そこには走ってこちらに向かって来ている子供がいた。
小学生ぐらいの男の子のようだ。
その子は、俺たちを見ると足を止めて言った。
「助けて!」
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子供は、俺たちを見つけて泣いてしまったため、一度泣き止むまで待った。
今は、この中でいちばんコミュニケーション能力が高いミストレアに、子供から情報を聞き出してもらっていた。
「君はゲートをくぐる前で、覚えていることはある?」
「えっとね、笛の音を聞いたの!」
「……笛の音?」
「そう! でも聞いてたらいつの間にか眠っちゃった。そして起きたらみんなと同じで森の中にいたんだ。」
「ぼくは、こわかったから逃げた!」
「逃げ出せたの?」
「気づかれてないと思う!」
俺たちは顔を見合わせた。
「その場所は覚えてる?」
「……逃げるのに必死で覚えてない。」
「案内とかはムリそうだね。一度、この子を連れて外に出る?」
ミストレアがそう言った。
それもありかもしれない。
「一度戻ってからもう一回ここまで来る? さすがにそれは時間がかかる。」
リーフローラが言った。
「ホープレイア。外に連れて行ってあげて。」
「お、私?」
危ないな。いま俺って言いかけた。
「この中では、あなたが一番強いはず。だから一人だけ人員を割くとしたら、ホープレイアが適任。ミストレアはどう思う?」
「……正直、ホープレイアは、私たちのどちらかが着いていくよりも安全だと思うよ。」
「ホープレイアは、後から私たちを追いかければいい。」
こうなれば仕方ない。
ダンジョンの入り口からそう距離は、離れてないし、全力でダッシュをすれば、10分もかからないうちに着く距離だろう。
「わかった。じゃあ行こうか。」
俺はできる限り優しくその子に声をかけた。
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ミストレアSide
ホープレイアが、私たちがいま通って来た道を戻っていく。
ホープレイアが一緒なら、あの子も無事にここから出られるだろう。
「ミストレア、先に進もう。」
「うん。 分かった。」
しばらくして、私たちはまた足を止めた。
「………また子供?」
そう、また一人道端で泣きそうな顔をした子供がいたのだ。
話を聞くとこの子も、どうやら逃げ出したらしい。
そして……
「すっごく怖い人がいた。」
「怖い人?」
「……目と鼻がなかった」
私とリーフちゃんは二人で目を合わせた。
おそらくそれが今回の魔獣だろう。
「……魔獣がそんなに管理に甘いことある?明らかに子供で背丈が小さいといっても、流石に分かると思う。」
リーフちゃんはそう呟いている。
これに関しては、私も同感だ。
明らかにおかしい。
一人、二人とはいえ、魔獣が人間が逃げるのは気づいているはずだ。
魔獣が逃がしている意図がわからない。
………もしかしたら罠かもしれない。
だが、来たのは本物の人間の子供だ。
ここでこの子を放置する訳にもいかない。
「私は一旦戻った方がいいと思うんだけど、どうする? リーフローラちゃん。」
「………この子を連れて行くのはリスクが高い。一度、2人で入り口まで戻る方がいい。ホープレイアとは途中で合流できるはず。」
「分かった。」
「ねえ、君。お姉ちゃん達についてきてくれるかな?一緒にお外に出ようか!」
「………分かった。」
その子は、まだ恐怖が残っている顔で返事をした。
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