第9話

俺は、島原さんとの会話が終わって部屋から出ると

扉の前で霧崎さんが壁に背中を預けて待っていた。


「どうだった?」



「ああ、霧崎さん、俺魔法少女になることにしたから。今日から後輩だね。よろしく先輩。」



「いやいやいや、どうやったらそうなるの!?」


そりゃ当然の反応だ。


「てか、物理的にどうするの?・・・切り落とすの?」


これも当然の反応である。 

………だよね?なかなかその発想がすぐに出てくるあたり結構ヤバいと思うんだけど


「正直、それをやると俺は女の子になるどころじゃなくなっちゃうね。」


「じゃあどうするの?」


霧崎さんは戸惑ったような表情をして聞いてくる。


「ここには、妖精がいるんだろ?その妖精に女性になれる魔道具を作ってもらう予定だよ。」



「ああ〜なるほど。」

「でもどうして魔法少女になるの?」




「ああ、それはね…………………







時は少しさかのぼる。











「俺が魔法少女に………ですか。」


「そうだ」


そういって島原さんは頷いた。動揺して一人称俺になっちゃったよ。



「えと、それは魔法省的には、大丈夫なんです?」


「ああ、別に隠蔽を行っても問題ないと思っている。さすがに大臣たちには、早めに言っておかないと私の首は飛ぶかもしれないがね。」


「ええ…」


「はは、ブラックジョークさ」


島原さんは、軽く笑みを浮かべている。



ホントにありそうな内容だから笑えねえ!



俺は、予想外のことに動揺しつつも、落ち着くために、とりあえず深呼吸をする。



「いくつか質問していいですか?」


「ああ、どうぞ」


「まず、根本的な問題として性別はどうするんです?」


「うちには妖精がいることは知っているかい?」



実は妖精は、とても貴重な生物であり、日本の中にも確認されている中では2匹しかいない。そのうちの一匹がここ、魔法省で保護されている。



「はい」



「その妖精に変身中は性別を転換して、見た目が変わる魔道具を作ってもらうのがいいだろう。」



「なるほど」


結構めちゃくちゃな存在だな妖精。だが、ファンタジーとしてはそれぐらいがちょうどいいのか? 異世界でも姿を変える敵ぐらいはいたし。


「次の質問として、僕が女性になる意味は何ですか?」


そう、結局これなのだ。さすがに俺は理由なしに女性になりたいわけではない。


「そうだね。いくつかの理由をあげていくとキリがないが、大まかな理由を言っていこうか。

まず一番は、男性で魔獣を倒せるというのが大きな問題なんだよ。」

「これは、この世界の常識を覆すものであり、みんなが君を狙い始めるだろう。

それこそ君が実験対象などにされるかもしれない」




なるほど、これは俺も考えてたリスクだ。




「次に民衆側の問題として魔法少女反対派を勢いづかせてしまうことにもつながるんだよね。男でも魔力が使えるじゃないか! もっと実験すべきだ!ってね。」




「ああーなるほど」





「あと、うちにも問題があって、魔法少女は今や、人気になって日常の一部になってきているといっても過言ではない。

単純に言うと、ユニコーンとかの厄介ファンだったり、荒らしが湧くのさ。

魔法省に対しての批判だけが来れば、まだ良いほうで、ひどい場合は、魔法少女に対しても攻撃的な言葉が出てくるようになるかもしれない。

ま、ざっと大まかな理由を挙げていくとこんな感じかな。」



まじか、思った以上に問題点があった。




「だから私の意見としては、あまり男の姿のままで目立ってほしくないっていう意見だね」



「なるほど、理由はわかりました。」



「さてどうする?無理になれとは言わないさ。時間もそんなに急いでいるわけではないよ。」


島原さんがそう言ってくれる。



…性別を変えなきゃいけねのか。しかも他の魔法少女たちと同じようにアイドルっぽくしなきゃいけないって? うん、普通に嫌だな。

これで俺がならなくても問題がなければ、俺は拒否していただろうな。





だが俺は…






「魔法少女になろうと思います。」


「ほう」


「何人もの魔法少女が死にそうになっているところを、実際に目の前にして複雑な感情を抱いていました。それなのに俺が女性になるのが嫌だからって言う理由で、死なせるのは目覚めが悪いので。」



正直、勇者になる前なら、かわいそうで終わってたと思うんだよな。

でも向こうの世界で、大勢の人を救っていたからか知らないが、なんか知らない人でも助けようとする癖がついている気がする。



「了解した。 君が活躍してくれることを期待している。」








…………というわけだよ。」



「おおー、さすがだね! 人を助けるためにって言うのはかっこいいと思うよ!」


そういって霧崎さんは決断をした俺のことを褒めてくれる。

なんか、自分の真剣な思いを他の人に聞かれるのが恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じるけど、俺はそれを考えないようにした。












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こういう回想の演出を、実際にやってみたかったのでやってみました。


漫画とかでは結構見るんですけどね。


小説とかだと、どうやってやるのがいいんでしょうね?



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