アニオタ女子に恋愛はできないかもしれません!?

misora mino

第1話 過去の恋愛と新しい出会い

2018年 3月 

「幹斗のこと、ずっと前から好きだったんだよ。」

自分でそう言ったはずなのに、恋愛ドラマを観ているような、そんな感じがした。幹斗とは幼馴染で仲も良かった。そろそろ幹斗に「好きだよ」って言おうと思ってたけど、言えなくて。それを繰り返す日々だったはずなのに、そんな日々に終わりを告げた。「ついに言ってしまった」なんて言葉も、頭の片隅にしかなくて、「私、どうしちゃったんだろう。」

息が荒くなりながら、幹斗にごまかすために言った。幹斗は驚いていたが、私に確かめるようにこう言った。

「莉茉は、俺でいいの?」

幹斗と目が合い、思わずコクリと頷く。幹斗にぎゅっと抱きしめられた。

「俺たち付き合う?」

私は返事の代わりにぎゅっと幹斗に抱きしめ返した。付き合うんだ……。幹斗と。実感が湧かなかった。私の推しには申し訳ないけどいまは幹斗が大事、そう心に言い聞かせた。

2018年 5月

私は高校三年生になった。あれから幹斗とは一ヶ月付き合ったが、私の推しのことでギクシャクしてしまい別れた。ちなみに私はアニオタ(アニメオタク)であり、私の推しは「メタスタ」というアニメのサブキャラ(シェール)だ。シェールはとってもかっこいい女の子で、私はたくさんグッズも持ってる。まだアニメ化されてないけど、そろそろアニメ化されるんじゃないかなって思ってる。そんな私の今の願いは、推し(シェール)を語り合えるアニオタ友達が見つかることだ。学校内は探してはいるけれど、なかなか見つからない。SNSではアニオタ友達は何人かいるけれど、流石に会って話したり電話で話すことはできない。早くアニオタ友達できないかなーー。そう思いながら、黒板を見る。黒板を眺めていると、先生と目が合い当てられてしまった。

「莉茉〜、百二十四ページの大問一の答えは?」

え!?まってまって!?これ何!?答えが分からないまま慌てて椅子から立ち上がると、後ろから声がした。

「149です」

先生は驚きながら、「正解〜…」と言って授業を進めた。誰が言ってくれたのか気になって後ろを振り向くと、答えを私の代わりに言ってくれたと思われる男子と目が合った。その男子との出会い、それが私の二度目の恋だった。



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