第13話 登録者499人
〔ルーカスのげんきの木ちゃんねる〕登録者499人 REC●ライブ中
はい、酒場に戻ってきました!
えっと、今もマスターがカメラを回してくれています。
ほんといつも感謝!
で、今日は、緊急企画!
ワイルドベリーのジャムを作ります。
酒場の厨房で、常連さんも一緒です。
「おい。常連さんではない」
あ、スイマセン、ちょっと待っててもらっていいっすか?
えっと、マスター、俺、実はジャム作ったことなくて。
コンポートみたいなのはあるんですけど。
レシピとかあります?
「俺こそは冒険者ランク5位、蒼き深淵の叡智を継ぐサフィラス=アズレイド。というかお前の底辺ちゃんねるでいただろう? 【あづっち】という名前で! アズレイドと【あづっち】ピンと来ないのか?」
マスター? なんですか? あ、レシピ教えてくれる?
ありがとうございます!
ごめんなさい、常連さん何か言いました?
聞き取れなくて。
「……だから!」
じゃあ、まずはワイルドベリーをきれいに洗います。
「おい聞いているのか? この俺こそは」
サフィラスさん、砂糖を計ってもらっていいですか?
「砂糖だと」
はい! そこの壺の中にあるので!
「俺をだれだと思っている? 冒険者ランク5位の」
えっとマスター? レモン汁ってどこにあります? あ、裏庭?
すみません、サフィラスさん、一つ取ってきてもらってもいいですか?
レモンの木があるらしいので。
俺は木じゃくしでこのまま焦げないように混ぜてます。
「レモンだと?」
あ、難しいですかね? もしレモンの木が分からないようだったら俺が……。
「戯言を言うな! 蒼き叡智を継ぐ俺が、レモンくらい分からないわけがないだろう、くそ」
ありがとうございます―!
では、こちらはこのまま、混ぜていきます!
まぜまぜ……。おお、ふつふつしてきて、おいしそう。
画面ごしだと匂いが伝わらないんだけど、すっごく甘酸っぱい匂い。
砂糖がふんわり甘くって、空気だけでも幸せな感じがする。
本土の弟たちにも食べさせてやりたいなあ。
ドゴオオォォォン!
あれ? なんだかすごい音がしましたね、マスター。
ちょっと見てくる? ありがとうございます。
もう、カメラはそのへんに立てかけてください。
わ、結構水分が出てきた。
グガァァァァァッ! ボシュッ! ドゴン! ゴガン! バキッ!
シュワァァァァァァ……ガラガラッ……。
工事現場みたいだな。
外は結構すごい音がしてますが、ジャムは順調です!
濃い赤色がとてもきれいだなあ。
まるで血みたいです。
あはは、ちょっと不穏。
バタンッ
あ、マスターおかえりなさい。
あれ?
サフィラスさんどうしたんですか?
焦げてる……え? ピヨちゃんの尻尾を踏んだ? わあ、それで燃やされて?
ピヨちゃんに噛みつかれてたのを、マスターが助けたんですか?
うわあ、大変でしたね。救急箱とか要ります? え、寝てたら治るって? 寝不足だったみたい? そうなんです?
《今ちらっと見えたけど、サフィラス様失神してない?》
《いや、瀕死?》
《焦げてたよね》
ばるちゃん《!?》
がる♡《マ?????》
わ、マスター、きれいなレモンですね。
とってきてくれて、ありがとうございます!
そしたら、この後にこれを絞るんですね。
えっと、鍋に汁を入れてっと。
うわ、やばい、めっちゃ美味そう。
とろっとしましたね。
へえ、レモン入れるとこんなふうになるんだ。
あ、ピヨちゃんだ。
《!?!?!?!?》
《あああああぁぁっ》
《あれドラゴンじゃね》
《厨房の裏口からひょっこりドラゴン》
《あたおか》
《合成だろさすがに》
ちょっと待ってピヨちゃん。
味見したいのかな?
お前さあ、常連さんに噛みついたりしちゃダメだぞ。
いいか? マスターも言ってるだろ、お客様を大事にしろって。
分かった?
なら味見させてやろうな。
はい、口開けて。
《!? やばいやばいやばい》
《最強テイマー降臨!?》
《えぐい。あれ完全に固有種のドラゴンじゃん。これ通報すべき?》
《こいつ食われるんじゃね》
《完全に放送事故》
《わああああああ手にドラゴンの歯が》
《え、合成だよな?》
あーん。
どう? 酸っぱい?
鳥には甘すぎるかなあ。
《だから鳥じゃねえって》
《こいつほんとwwwwwww》
《なんでドラゴンなついてんの?》
《ひえええええええ》
さて、今日はジャム作り回でしたー!
《ジャムどうでもいい》
《気付けし》
《異常事態過ぎて目玉ポーン》
《ドラゴンいたよね? 夢?》
うーん、料理ちゃんねるみたいになってきたなあ。
次こそは冒険者っぽい動画をとりたいと思います!
それでは、バイバイルーカスー!
ブツッ……
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