【カクコンエッセイ】お時給は正義!派遣戦士ランの奮闘記~9社渡り歩いた私が戦ったいじめ、パワハラ。えー、平成時代ってそんな感じなんですか?~

天城らん

第1話 犬ぞりでは抜けられない氷河期


 私は現在まで、9社ほど渡り歩きましたが非正規雇用でしか働いたことがありません。

 なぜかというと、私が短期大学を卒業したときは大変な就職難で、受けて受けても卒業後の就職先が見つからなかったからです。


 俗に言う『就職氷河期』


(あ、そこの人、年齢を計算しない! 一生を小説書きに捧げた私は、永遠のなのです!)


 みなさん、氷河期はもう4万年も前のことだと思ってるでしょう?

 しかし、恐竜は死に絶えてますが、マンモスと人類は一緒にいる時代ですよ。

 そう、氷河期にも人類はいたんです!

 なので、絶滅したネアンデルタール人の話とは思わず、氷河期を生き延びたクロマニヨン人の昔話として聞いてもらえれば幸いです。



 私は就職試験を公務員なども混ぜて、地元企業を中心に15社ほど受けましたがすべて不採用。

 そのくらいお祈りスタンプを集めれば、1回くらいは内定交換があってもいいのに……。

 私が交換できたのは社会人『戦力外通告』でした。


(あれ? もしかして、私はどこからも必要とされていない……?)


 私は大きなショックを受けました。


 確かに、高学歴ではありません。

 高校受験にも失敗して、滑り止めの高校に行きましたし、それがトラウマで推薦で行けるところをと地元の短期大学に進学しました。

 

 それでも、やんちゃなことをしている周りの人達よりも、ただただ真面目に学生時代を過ごしてきましたし、短大の中では成績も上位でした。


 世界が認めるザ・真面目&平凡女子です。


 だから、低速な犬ぞりでも地道に走っていればいつかブリザードも抜けられると信じていました。

 

 ただこの時代、普通や真面目だけではダメだった。


 最後の最後、氷河の極地を抜けるためには、犬ぞりではなく、結局優れた砕氷船才能や容姿が必要だったんです。


 学校では人と同じ、平均・標準を求めてくるのに、いざ社会に出るとなると特別さを求めてくる。

 

 

 私は受験や就職活動という生き残り競争の中、学歴が劣っていたせいで、またもや社会人行きの電車に乗り遅れてしまいました。


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