エピソード4『冷たい嘘と、アップルパイの匂い』

 都心のアパートの一室。日曜日の午後、西日がオレンジ色の光を投げかけている。ここは、悠真が一人暮らしを始めた頃から住んでいる、彼の部屋だ。家具はシンプルだが、そこかしこに飾られた二人の写真や、共同で選んだマグカップが、この空間が確かに**「愛の巣」**であることを物語っていた。


 悠真(20代後半)と沙希(20代後半)は、床に広げた毛布の上でトランプに興じていた。


(――この部屋に、初めて沙希を招待した日のこと。隅々まで掃除をして、緊張しすぎて手が震えたこと。あの頃は、こんなに笑い合える未来なんて、想像もできなかったのに。)


 負けが込んでいた悠真は、トランプをシャッフルする沙希を指差し、大袈裟に叫ぶ。


「沙希、またイカサマだろ!顔に書いてあるぞ、『女王様は勝ちます』って!」


「なによそれ!」


 沙希はケラケラと笑い、イカサマではなく**「運命力が違うの」と、ふざけた冗談を言い返す。悠真は「ああ言えばこう言うんだから!」と、反撃とばかりに沙希の脇腹に指を滑らせた**。


「きゃっ!」


 沙希は驚いて身をよじるが、悠真は容赦なくくすぐり続ける。


「あははは!や、やめてー。悠真」


 二人の屈託のない笑い声がリビングに響き渡り、やがてじゃれ合いはエスカレートし、そのまま毛布の上、ベッドへと抱き合って倒れ込んだ。


 弾けるような笑顔で見つめ合う二人。沙希の頬は高揚で赤く染まり、悠真は彼女の髪をそっと撫でた。そして、言葉もなく互いの唇が触れ合い、深い、優しいキスを交わした。彼女が焼いたアップルパイの甘い匂いが、二人の幸福な時間をさらに色濃く彩っていた。


 トランプが終わり、悠真はソファに移動してテレビゲームを始めた。沙希はテーブルを片付けながら、悠真の背中に向かって「次の休みはどこ行こうか?」と声をかける。


悠真:「次は海沿いのカフェがいいな。夕日が見たい。あっ、ヤバい!ボス強え!」


沙希:「ふふ、勝手に死なないでね」



 沙希は笑いながら返事をしたものの、その笑顔は一瞬で影を潜めた――。



 彼女は突然、窓の外に視線を向け、左手首に巻かれた小さな腕時計を、まるでそこに書かれた数字が未来を変えるかのように、真剣な面持ちで凝視した。悠真はゲームに夢中になりながらも、その静かな変化に気づいた。



「ん?どうした?急に静かになったけど」



 沙希はハッと我に返り、慌てて悠真に微笑みかける。その笑顔は、さっきまでのものより少し硬く、乾いていた。



「え?ううん。何でもないよ。…ちょっと、時間が気になっただけ」



 沙希はそうごまかした。しかし、彼女の視線が、再び部屋の壁に掛けられた大きなカレンダーの、数ヶ月先の日付に吸い寄せられるのを、悠真は見逃さなかった。


 沙希は、悠真に背を向け、キッチンへと席を立った。水道の水を流し、食器を洗い始める。悠真はすぐにゲームの画面に意識を戻したため、気づかなかった。


 蛇口から流れ落ちる水の音に紛れて、沙希の目尻から一筋の涙が静かに流れ落ちた。その涙は、頬を伝い、彼女の左手首の時計を濡らした。


 沙希の身体は、小刻みに震え始めた。


 彼女は、もはや食器を洗う体勢を保てず、音を立てないようにゆっくりと、腰からシンクの下に崩れ落ちた。


 彼女が気にしているのは、次のデートの約束の時間ではない。そして、彼女が流した涙は、恋人との喧嘩の悲しみではない。



 沙希は、流れる水音を限界まで上げ、涙で光る天井を見上げた――。



 視界の端に映る、悠真と二人で選んだ安物の照明が、あまりにも優しく、残酷に輝いていた。



「…悠真。」



 沙希は、水が流れる音に自分の嗚咽を押し隠しながら、愛する人の名前を心の中でそっと囁いた。


 あの日の夜、沙希は悠真が眠りについた後、静かにベッドから抜け出し、リビングで悠真の顔写真が貼られたマグカップを、両手で抱きしめたまま小刻みに震えていた。彼女は何かを口にする度に、言葉を失った。



「ね、悠真……」



 沙希がそう切り出すたび、悠真はソファから顔を上げ、「ん?どうした?急に真面目な顔して」と優しく尋ねる。


 しかし、沙希の喉は張り付き。結局、「ううん、何でもない」と、このやり取りが、一週間で三度繰り返された。



 悠真は、沙希の不安定な態度に深い戸惑いを覚えていた。



 ある朝、沙希は洗面所でこっそり泣きすぎて、目を真っ赤に腫らしてしまった。リビングに戻ると、悠真が心配そうに覗き込む。


悠真:「あれ?沙希、顔、真っ赤じゃないか?どうしたんだ?具合悪いのか?」


 沙希は反射的に顔を背け、太陽のような明るい笑顔を作ろうとするが、顔の筋肉がひきつる。彼女は目を悠真に見せまいと俯き、無理に明るい声を出した。


沙希:「大丈夫!寝すぎただけ!ほら、仕事遅れるよ。行ってらっしゃい!」


 沙希はそう言って悠真を玄関から押し出し、すぐにドアを閉めた。悠真は、ドア越しに残る沙希の不自然な態度に、彼女が何か大きな秘密を抱えていることを確信したが、それが全く何なのか分からなかった。


(もう、引き返せない。私が苦しむのは、どうでもいい。ただ、彼に絶望を遺すことだけは避けたい。憎まれて、終わらせるしかない。)


 沙希は決意した。そして、彼女は別人になった。


 まるで、彼女の内側にあった優しさという光が、突然消滅したかのように――。


 沙希は突然、冷酷な別れを切り出した。それは、ガラスを擦るような、冷たく乾いた声だった。



「ねえ、別れよう。もう、あなたのことが好きじゃない」



 悠真は、突然の宣告に思考が停止した。「冗談だろう?」と笑おうとした悠真に対し、沙希は一切の感情を排した目で追い打ちをかける。


「冗談じゃない。あなたの平凡な日常と、私に依存する優しいだけの性格に飽きたの。私はもっと刺激と、裕福な生活が欲しい」


 悠真は、愛する人に裏切られた怒りと、深い悲しみで声を荒げる。彼の声は、アパートの壁に反響し、響いた。


悠真:「嘘だろ!?どうしてなんだよ、沙希! 俺たちの三年間は何だったんだ!?」


沙希:「全部、暇つぶしよ。あなたは私の最後の逃げ場所だっただけ。もう、うんざりなの。」


 沙希は、頬に涙を伝わせながら、冷酷な言葉を続ける。

 

 その日から、悠真の行動は一変した。彼は沙希が吐いた**「刺激がない」「裕福な生活が欲しい」という言葉を真に受け、沙希の愛を取り戻すために必死な行動**を取り始めた。


 悠真は、沙希が以前「綺麗だね」と呟いた高価なブランドのネックレスを買うために、昼夜を問わずアルバイトを始めた。帰宅すると、疲れた体で、沙希が以前「行ってみたい」と呟いた遠方の遊園地のチケットを、オンラインで必死に手に入れた。彼の部屋のゴミ箱には、失敗したデートプランのメモが何枚も捨てられていた。


 悠真の真っすぐな愛と、純粋な努力は、沙希の心を激しくえぐった。


(私が彼に与えられるのは、悲しみだけなのに。)


 沙希は、彼が真剣になるほど、「私はもう、彼の未来になれない」という現実に直面させられる。彼女は、悠真に気づかれないよう、何度も洗面所に駆け込み、鏡の前で**「私は冷たい女。早く私を憎んで」**と、顔が歪むほどの苦痛と共に、自分に言い聞かせた。


 ある夜、悠真がボロボロになって花束を持って帰宅した時、沙希はもう耐えられなかった。彼は沙希の冷酷な言葉に、一切の反論もせず、ただひたすら自分の努力で愛を繋ぎ止めようとしていた。


悠真:「沙希、見てくれ。この花束、お前が一番好きだって言ってた花だ。俺は変わるから、もう一度...」


 悠真の懇願するような、傷ついた獣のような眼差しが、沙希の心を容赦なく貫いた。


 沙希の心の中は、**「もうやめて」**という叫びで満たされていた。彼の優しい努力が、自分の命の期限を毎日突きつけてくる。


 沙希は、溢れそうになる涙と、**「愛している」**という真実の言葉を、喉の奥で無理やり押し殺した。そして、彼女は最後の力を振り絞り、悠真を完全に突き放す言葉を、冷酷な仮面の下から絞り出した。


沙希:「そんな安っぽい花束、いらないわ。私が欲しいのは、そんな惨めな努力じゃない。ねぇ、いい加減、分かってよ。私はもう、あなたに興味がないの」


 沙希のその氷のように冷たい言葉は、悠真の心に最後に残っていた**「愛の可能性」**を完全に砕いた。彼は、これまでの必死な努力、徹夜でのアルバイト、すべてを笑われたと感じた。


 悠真の顔から、必死な懇願の表情が一瞬で消え失せた。代わりに、深い絶望と、裏切られた者特有の激しい怒りが湧き上がった。


 悠真は、花束を無造作に床に叩きつけた。花瓶から滑り落ちた水が、二人の別れを象徴するように、音もなく絨毯に滲んでいく。


悠真:「分かったよ、沙希!」


 悠真の声は、先ほどの懇願とは全く違い、低く、部屋全体を震わせるほど響いた。


悠真:「俺に興味がない、だと?じゃあ、最初から俺に期待させるなよ! 俺の部屋に居座って、毎日笑って、アップルパイなんて焼いて!お前のその冷たい本性を隠すために、俺の愛を利用したのか!?」


 沙希は、悠真の激しい怒りに対し、身体を震わせながら、目を閉じて耐えた。彼女が最も恐れていた、彼からの憎しみの言葉が、今、彼女の全身に突き刺さる。


沙希:「利用したと言われても構わないわ。早く出て行くから、もう…」


悠真:「もう、なんて言うな!俺がお前を愛した時間は、お前の**『暇つぶし』じゃなかったんだ!お前のその身勝手な優しさ**で、俺の人生をぐちゃぐちゃにする権利がお前にあるのかよ!?」


 悠真は、感情を抑えきれず、目の前のテーブルを拳で強く叩いた。テーブルの上で、マグカップがガタッと音を立てて大きく揺れた。


 沙希は、彼の怒りが自分への愛の裏返しだと痛いほど分かっていた――。


 このままでは悠真が取り返しのつかないほどの絶望に陥ってしまう。彼女は、最後の冷酷な突き放しを決行するしかないと悟った。


 沙希は、悠真の目を見て、冷たく言い放った。


沙希:「うるさい!あなたの愛なんて、私には重いだけなのよ!」


 沙希は、悠真がこれ以上言葉を発する隙を与えず、慌ててキャリーバッグのハンドルを掴んだ。その瞬間、悠真の顔は絶望の色で固まった。


 沙希は、悠真の純粋な献身を見るたびに、胸が張り裂けそうになり、涙が止まらない。


 彼女は水道の水を出し、嗚咽が漏れないよう必死に口を塞ぎながら、その場で泣き崩れた。悠真は、沙希が本当に「嫌いになった」のだと思い込み、ゴミ袋に捨てられた思い出の品を、冷たい床の上で拾い集めるしかなかった。


 彼は、沙希の背中が冷たく感じられるたびに、自分の無力さを呪った。


 沙希は、悠真に「あなたの愛なんて、私には重いだけなのよ!」という言葉を最後に突きつけ、キャリーバッグのハンドルを掴んだ。その表情は、徹頭徹尾、冷酷で、悠真を寄せ付けない鋼鉄の仮面を被っているようだった。


 悠真は、彼女の最後の言葉に、魂が抜け落ちるような絶望を感じた。彼の必死な努力も、愛も、すべてが打ち砕かれた。彼は、これ以上沙希を引き止めることはできないと悟り、ただ、彼女のトレンチコートの裾を、震える指先で掴んだ。


「沙希...俺じゃ...ダメ、だったのか」


 悠真の声は、掠れて、乾いていた。


 沙希は、その手を振り払おうと、強くコートを引っ張った。そのとき、コートのポケットから、沙希が隠していたいくつかの小さなものが、カランカランと音を立てて床に散らばった。


 それは、薬の処方箋と、古い手帳だった。処方箋は、不規則な生活で溜まったレシートや、小さなホテルのアメニティに混ざって、乱暴に畳まれていた。


 沙希は慌ててそれを拾い上げようと、床に手を伸ばしたが、手が震え、動かない。悠真の視線はすでに、その二つのアイテムに釘付けになっていた。悠真は、トレンチコートの裾を掴む手を離し、薬の処方箋を拾い上げた。処方箋を広げた悠真の手が、紙の薄さと、書かれた文字の重さに耐えきれず、激しく震えた。


 処方箋の右下隅。小さな文字で書かれた病名や効能を目にした瞬間、悠真の視界は、一瞬にして白く塗りつぶされた。そこには、**「余命宣告を受けた者への緩和ケア」と「投薬期限」**に関する、残酷な言葉が並んでいた。


 悠真は、信じられない思いで、次に手帳を開いた。最終ページ。そこには、彼の名前の横に、沙希の震える手書きの文字で、こう記されていた。


「残り2ヶ月。愛する人に、絶望的な悲しみを遺さないために。憎まれて、終わらせる。」


 悠真の身体を支配していた**「怒り」と「裏切られた悲しみ」**は、津波のような、言葉にできない切ない感動へと一気に反転した。沙希が言った「期限」が、彼との関係の期限ではなく、彼女自身の命の期限だったことを悟ったのだ。


 彼を突き放した冷酷な言葉、必死な彼の努力を笑った態度、すべてが悠真の未来の幸福を守るための、命がけの愛の演技であった。その真実が、五感を麻痺させるほどの衝撃をもって、悠真の心に突き刺さった。


 沙希は、悠真が処方箋と手帳を読んでいることに気づき、初めて顔色を失った。彼女の目からは、堰を切ったように、熱い涙が溢れ出した。


「ゆ、悠真…!」


 沙希は、その場に崩れ落ち、声を上げて泣き始めた。


 それは、愛する人に秘密を知られた動揺と、もう演技を続けなくていいという、悲痛な解放の嗚咽だった。彼女がこれまで見せた冷酷な涙とは、その温度も、重みも、全く違っていた。


 沙希は、泣きながら、自分の運命と悠真への愛に対する、絶望的な叫びを吐き出した。


沙希:「うあああああっ! なんでよ……っ、なんで私なの!ひっく……ごめんなさい……!」


 沙希は、秘密を知られた動揺と、耐え続けた苦痛から解放され、その場で声を上げ、幼児のように泣き崩れていた。処方箋と手帳を握りしめたままの悠真は、その姿を抱き起こそうとはしなかった。彼は、沙希の命がけの愛の重さを抱きしめるには、自分の身体が、あまりにも無力すぎることを知っていた。


 悠真は、沙希の病気のことは、最後まで口にしなかった。彼女が命を削って守ろうとした**「秘密」を尊重すること、そして彼女の最後の願いである「未来を歩むこと」を叶えることこそが、今、彼にできる究極の愛の形**だと悟った。


 沙希は、涙でぐしゃぐしゃになりながらも、言葉を絞り出した。


 彼女は、悠真が真実に気づいたことを知っているからこそ、最後の最後まで、彼を突き放さなければならない。


沙希:「うっ…… 憎んでよ。そうじゃないと、あなたは…ひっく…立ち直れないじゃない!」


 彼女のセリフは、嗚咽で途切れ、泣き声で震えていた。その姿を見た悠真の感情は、一気に極限まで高ぶった。


沙希は、悠真の腕を強く掴み、心の底からの本音を、魂の叫びのように吐き出した。


沙希:「本当は別れたくないよー!うあああああ! 一緒にいたい!あなたの隣で、もっと…!ぐすっ…もっと生きていたいよ!」


 悠真は、溢れる涙で視界が歪む中、静かに首を振った。彼は、もう言葉を探す必要はなかった。


 沙希が「さよなら」と背を向け、キャリーバッグを引いて玄関に向かおうとした瞬間、悠真は、ただ、涙を流しながら、彼女の背中を見つめた。


 その瞳には、**「ありがとう」**という言葉の、何倍もの愛と感謝が焼き付けられていた。


 沙希は、振り返ることなく、愛を貫くため、そのまま冷たい態度を崩さないまま、静かにドアを開けてその場を去った。


 悠真は、抱き合うこともなく、引き止めることもなく、ただドアが閉まる微かな音を聴いた。



 ドアが閉まった瞬間、部屋には鉛のように重く、底冷えする静寂が訪れた。



 さっきまで沙希の絶叫と、彼の嗚咽、そして大喧嘩の激しい感情が渦巻いていたのが嘘のようだ。暖かかったはずの部屋の空気は一変し、冬の海辺のような、冷たさを帯びていた。


 悠真は、その場に立ち尽くしたまま、この数週間で起きた全てのこと、そして沙希の真の愛を、初めて客観的に反芻した。


(――あの時、俺に興味がないと言った沙希の目には、確かに涙が溢れていた。あれは、俺を憎んで流した涙じゃなかった。自分の命が、俺の未来を奪うことが、ただただ悲しかったんだ。)


 彼は、床に散らばった処方箋と手帳をそっと拾い上げた。悲しみと共に、沙希が命をかけて残した**「未来」という重い贈り物。悠真は、その贈り物を胸に抱いたまま、その場に崩れ落ちた**。静寂を切り裂くように、彼の口から嗚咽と共に、愛しい人の名前が何度も、何度も溢れ出した。



「沙希……っ、沙希……!沙希……!」



 彼は、フローリングの冷たい床に顔を押し付け、声を殺すこともなく、堰を切ったように泣き続けた。残っているのは、愛する人の死と、彼女の愛の献身という重すぎる真実に打ちひしがれた、一人の男の絶望だけだった。

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