詩集『否定』
玄道
終末の祈り
愛するものがある者は
愛するものに討たれて
蛆に喰われて朽ちていけばいい。
愛するものが無い者は
自らの手で
身を炎に投げ入れればいい。
正しき聖人は謂れなき悪意に晒され
悪しき咎人は更に悪しき者に喰われ
どちらでもない者はただ腐り、崩れ落ちればいい
希望は打ち捨て
絶望は引き裂き
何も持たず逝けばいい
全ての未来を塞ぎ
全ての子を堕ろし
三千世界の烏を殺し
悪魔がいれば地の獄を壊し
神がいれば天の座を壊し
朝の陽も
夜の月も
何もかも、塵となって二度と戻らぬよう。
安らぎなど
この世には訪れない。
老いも若きも、男も女も
親愛の手紙も、惜別の手紙も
敵も味方も、家族も隣人も
肉体も、記憶も
皆、永遠に燃え尽きて
灰すら残らない。
世界の終わりを願う声は
闇に溶けて
呪いとなってその身を蝕む。
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