第6話「炎舞うダンジョンと交わされる魂」
シルヴァンの妨害を乗り越え、二人の絆はより一層深いものとなった。
そんな中、ギルドに古代の秘宝「始祖の心臓」の在り処を示す地図がもたらされる。
世界の魔力バランスを司るというその秘宝は、使い方を誤れば世界を破滅させるほどの力を秘めているという。
そして、その力を狙い、シルヴァンもまた暗躍を始めていた。
世界の危機を未然に防ぐため、カイエンとアキトは「緋色の翼」の精鋭メンバーと共に、秘宝が眠るという火山地帯のダンジョン「陽炎の迷宮」へと挑む。
しかし、迷宮内部の強力な魔力は、アキトの身体に異常をきたした。
ヒートの周期が乱れ、突如として強烈な発情期が彼を襲ったのだ。
アキトの身体から放たれる濃密なフェロモンは、ダンジョンに巣食う凶暴な魔物たちを狂わせ、次々と引き寄せてしまう。
「くそっ、キリがねえ!」
仲間たちが悲鳴を上げる中、カイエンはアキトを背にかばい、燃え盛る炎をまとった剣で血路を切り開く。
「アキト、しっかりしろ! 俺から離れるな!」
「かい、えん、さん……ごめ…ん…なさ……い……。俺の……せいで……」
朦朧とする意識の中、アキトは自分を責める。
しかしカイエンは、そんな彼を叱咤した。
「謝るな! お前は俺が絶対に守る!」
極限状態の中、死の恐怖と生の渇望が、二人の本能を剥き出しにさせていく。
アルファの本能がオメガを求め、オメガの本能がアルファに守られたいと叫ぶ。
カイエンは辛うじて安全な小部屋を見つけると、仲間たちに「ここで待機しろ!」と命じ、アキトを抱えてその奥へと入った。
「カイエンさん、だめ……みんなが……」
「黙れ。このままではお前の身体がもたない。それに、このフェロモンをどうにかしない限り、魔物は無限に湧いてくる」
カイエンの瞳は、燃えるような情欲と、アキトへの深い愛情で満ちていた。
「アキト……俺を、受け入れてくれるか」
アキトは、こくりと頷いた。
恐怖はなかった。
この人になら、すべてを捧げられる。
魔物の咆哮が遠くに響く中、二人は互いの体を求め、重ね合わせた。
それは、ただの情欲の発散ではない。
互いの命と魂の在処を確かめ合い、絆をより強固なものにするための、神聖な儀式だった。
アキトの身体にカイエンのすべてが注がれ、その瞬間、二人の魂は一つの光となって溶け合った。
絆が深まったことでアキトのフェロモンは制御され、魔物を引き寄せることはなくなった。
二人は力を合わせ、仲間たちと共に再び迷宮の最深部を目指す。
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