【巻頭歌】

それは、いずれ来たる災厄。

絡まり縺れた因果の物語。

これは、１人の少女が己を縛る呪いと対峙する旅路の軌跡。

彼女が選ぶのは絆か、しがらみか。

「私が選びたいのは、きっと……」

【あらすじ】

私立黒羽蝶（くろはちょう）専校。

そこは、世界中の怪異や神性を帯びた存在などの情報が集まる特別な教育機関。

学生たちは日々、私立黒羽蝶（くろはちょう）専校で他の学校と何も変わらない授業を受けている。

何か特別な事があるとすれば。

それは、全学生のほとんどが霊的能力を有しているという事。

さて。

本作の主人公・七草透晴は、親友の子日修平と共にオカルト研究部に所属していた。

変わり映えのしない毎日を送っていた2人の元に、ある時1人の少女が現れる。

「赤羽島という島に私の父が怪談調査に出かけたきり帰ってきません。どうか私の父を見つけて下さい」

舞い込んだ依頼を興味本位で引き受けた2人は、次第に赤羽島の謎に巻き込まれていく――。

人と怪異――２つの種族、その狭間の物語。堂々の開幕でございます！

【基本設定】

Key Persons

＊七草　透晴

～ナナクサ　スバル～

本作の主人公。

私立黒羽蝶専校所属の高等部２年。

オカルト研究部の副部長を務める。

生まれつき勘が鋭く、これまで数々の危機的状況を回避してきた。

また観察力・洞察力も人一倍優れており、総合して野性的な感覚を持つ男である。

＊子日　修平

～ネノヒ　シュウヘイ～

私立黒羽蝶専校所属の高等部２年。

オカルト研究部の部長を務める。

基本的な性格は度量が広く、細かい事を気にしない豪快かつ明るい――一言で言えば豪放磊落な性格である。

しかしゲームとなると性格は一転。

一点しか見えなくなり、度量狭小な側面が前面に押し出される、ちょっと残念な一面も持ち合わせる。

追記。ここぞという場面での豪運の引きは、神がかっている。

＊花宮　華恋

～ハナミヤ　カレン～

本作のヒロイン。

私立黒羽蝶専校所属の高等部１年。

花宮家の次女にして末子。

家庭の事情で、幼少期に様々な躾という名の拷問を施されているが、当時の記憶は断片的にしか思い出せない。

また記憶が頻繁に飛ぶ事、その間に何をしていたか思い出せない事が悩みである。

＊花宮　庄蔵

～ハナミヤ　ショウゾウ～

花宮家の長男にして第二子。

四年前に変死体として発見された、元・私立黒羽蝶専校の高等部３年。

第一次赤羽島調査隊に参加していた過去があり、その際に何らかの呪いを受けたのだろう。

本島に帰還して間もなく、命を落とした。

＊花宮　美琴

～ハナミヤ　ミコト～

花宮家の長女にして第一子。

花宮華恋が産まれて間も無く、事故で命を落とした、元・私立黒羽蝶専校所属の中等部３年。

歴代の花宮家の中でも、上位に入る程の異能の持ち主であり、それ故にトラブルに巻き込まれやすい体質を有していた。

だが事故死で片付けるには不可解な点が多くあり、真相は謎に包まれている。

＊花宮　繁晴

～ハナミヤ　シゲハル～

花宮華恋、花宮庄蔵の父親。

赤羽島調査隊の責任者であり、民俗学研究者として有名な人物。

また降霊術式や呪法呪術、各魔術についての研究でもかなり名の知れた人物である。

晩年は狂ったように赤羽島に関して強く執着する様になり、異常な行動が目立つようになっていったという。

＊女将

～オカミ～

旅館羽守荘の女将。

明智明察な姉御肌、という表現が似合う女性である。

何やら鬼咲神社の神主と深い繋がりがあるようだが……？

＊神主

～カンヌシ～

鬼咲神社の神主。

赤羽島の実情、そして世界が置かれている潜在的な危機について最も詳しく知る、世界でただ一人の人物。

世界の裏側を識る事の出来る、ただ一人の人物である。

Key Words

＊私立黒羽蝶専校

～シリツクロハチョウセンコウ～

世界中の怪異や神話など、この世ならざる存在についての情報が集められた教育機関。

実在する／しないに関わらず様々なデータが集約される為、祈祷術式や呪法術式などの民間儀式に関しても詳細な研究が行われている。

＊花宮家

～ハナミヤケ～

花宮家は古来より降霊術式や呪法術式の他、黒燭魔術を得意とする家系である。

＊赤羽島

～アカバネトウ～

正式名称『赤羽神島・群島区』。

数々の怪異の伝承があるにも関わらず、その情報のほとんどが秘匿されている、謎多き島。

＊旅館羽守荘

～リョカンハネモリソウ～

赤羽島の商業区の一角に居を構える老舗旅館。

島内にある旅館の中で、最も古い歴史を持っている。

また古くから島内唯一の神社である鬼咲神社と深い繋がりがある為か、商業区の代表的立ち位置としても機能している。

＊鬼咲神社

～オニサキジンジャ～

赤羽島に存在する唯一の神社。

島の歴史について最もよく知る場所の1つ。

そして、世界を裏側を閉じる閂でもある――最後の砦である。

＊怪異

～カイイ～

世界の裏側――幽世に住まう、人ならざるモノ。

人類の歴史――人類史に蓄積された記憶の残滓から生まれる彼らは、常に現実世界――現世に侵食する機会を虎視眈々と狙っている。

そう。

ヒトの世を喰み、寄生するその日まで。

＊複合怪異

～フクゴウカイイ～

複数の怪異が溶け合った、幽世由来の大災厄。

イレギュラーから生まれた、人の記憶が滅ぼす大災害である。

神鬼

～シンキ～

怪異が何かの間違いで神性を獲得した、偽りの神。

人類にとって崇拝あるいは信仰の対象である“守護者“としての神とは違い、“混沌”や“不和”を司る。

即ち。

其れは、人類の記憶を最も有効に氾濫させるモノ。

人類史に漂う悪性情報の集合体である。

複合神鬼

～フクゴウシンキ～

神鬼同士の競合の末に生まれた、終末機構。

いずれ極天へと至る災禍――識別命名・極焉（オリミス・クラスィフィー）、或いは狂鳴禍（ロコ・カタストルフェ）。

この世全ての歪みを喰らい、人々の“終末を願うココロ“が生んだ、滅びの天使である。

其れは、人類の歪みを最も有効に活用した――人類史上最も悪辣な滅亡の詩である。

Key Skills

＊玉響の加護

～タマユラノカゴ～

技能Pt３に対して技能点７取得可能。

初期技能点５。

この技能を持つ者は、KPが定める特定の場面において『未知なる生物に対する特防』状態を獲得する事ができる。

→『未知なる生物に対する特防』状態

……クトゥルフ神話生物、またはこれに類する存在に対して、ダメージ無効状態を獲得する。

これによりKPが定めた範囲内でのみ、神話生物等に属する相手からの攻撃を、HP１消費に対し１回、全５回まで完全防御する事ができる。

＊憧憬抱きし希望の錨

～ショウケイイダキシキボウノイカリ～

技能Pt２に対して技能点５取得可能。

初期技能点３。

この技能を持つ者は、KPが定める特定の行動に対して『人類の脅威に対する特攻』状態を獲得する事ができる。

→『人類の脅威に対する特攻』状態

……クトゥルフ神話生物、またはこれに類する存在に対して、攻撃特攻状態を獲得する。

これによりKPが定めた範囲内でのみ、神話生物等に属する相手への攻撃に関して、HP２+MP３消費で１D６+５を通常攻撃に上乗せする（ダメージボーナス扱い）。

＊秘匿暴きし常夜の灯

　～ヒトクアバキシトコヨノアカリ～

技能Pt３に対して技能点５取得可能。

初期技能点１。

この技能を持つ者は、KPが定める特定の場面において『心眼（偽）』状態を獲得する事ができる。

→『心眼（偽）』状態

……クトゥルフ神話生物、またはこれに類する存在に対して、秘匿情報の看破状態を獲得する。

これによりKPが定める特定の場面でのみ、MP２消費に対し１体の神話生物等の“正式な名”と“弱点”を知ることができる。