エラリヘイム 魔王軍 交戦編
第43話 ヴェル達、エルフの里へ……!
場面はヴェル達へと戻る。
貿易都市ザンドクルを目指し、歩いて三日が経過していた。
「二人共、疲れてないか?」
俺は二人に声をかける。
「大丈夫ですよ。セラちゃんは大丈夫?」
ルクスハートが手を繋いでいる、セラの方を見る。
「セラ……大丈夫! まだまだ歩ける!」
元気そうな返事がある。
「そうか、ならよかった。もう少し進んだところに、エルフの里エラリヘイムがある。ただ、人間が入ることをよく思っていないと聞いたことがある。少しでも休ませてもらえればいいんだが、こればかりは行って確かめるしかないな」
俺は地図を見ながら話す。
「エルフは自然を愛する種族ですものね。あまり、訪問者をよく思わないと私も聞いたことがあります……。寄るだけ寄ってみましょう!」
ルクスハートが声を出す。
「エルフ……! セラ……お友達……なりたい……!」
セラは目を輝かせている。
「ははは。歓迎されたらな」
俺はセラの頭をなでる。
セラは嬉しそうにニコニコしている。
◇◇◇
しばらく歩き、エラリヘイムに到着した。
ただ、何か異様な雰囲気だ。
木々が腐っている箇所がある……。
自然を愛するエルフの里とは思えない……。
「動くな……!」
門番らしき、エルフが弓を構えながら、声をかけてくる。
エルフは美しい種族だと聞く。
ロングの金髪で耳が尖っている。目も大きく、人間族とは明らかに違うと感じる。
「動かないよ……。俺達は冒険者なんだ。少し、旅の疲れを取れればと思ったのだが、里に入るのは無理か……?」
俺はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「無理だ。早く引き返すんだな」
門番のエルフは取り付く島もない返答をする。
「……一つだけ聞いていいか? なぜ、木々に腐っている箇所があるんだ? 不浄の気配も感じる……」
俺は敵意がないことを示すように、ゆったりとした口調で話す。
「……お前達には関係のないことだ」
門番のエルフは少し間を空けて、返答する。
「じゃあ、この腐ってる木を元に戻せるって言ったら……?」
俺は真っ直ぐ門番のエルフを見つめる。
「なんだと……⁉ 木を元に戻せるのか?」
今まで、敵意しか向けていなかった門番のエルフが、驚嘆の表情へ変わる。
「……木に近づいていいか……?」
俺は木の方を向く。
「……やれるなら、やってみろ……」
門番のエルフがどことなく、期待したような眼差しを向けてくる。
俺は一本の木に近づく、そして右手を掲げ、詠唱する。
「
俺の右手に不浄が吸収されていく。
この感じ……〝腐乱〟の不浄か……。
木は腐りかけていたが、元々のみずみずしさを取り戻す。
「これは……⁉ お前何者だ……? 魔族の仲間には見えないし、不浄を扱う人間……なのか?」
門番のエルフは驚きをそのまま出したようだ。
「魔族……? 俺はヴェル。人間族だよ。……もし、よければ話を聞こうか? 俺は不浄の問題を解決するために、旅をしている。力になれるなら、力になりたい」
俺は真っ直ぐ声を届ける。
「…………」
門番のエルフはしばらく、黙り込む。
そして口を開く。
「長のところへ連れていく。そこで詳しい話は聞いてくれ」
どことなく、敵対心はなくなったように感じる。
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