第1話なるか、探索者

ベチッ!!

「早く、起きんかい!」

「いでっ!」

おでこに電流が走る。

「なんで普通の起こし方ができないかなぁ?」

「何度も、普通に起こしたわい。全く、朝飯でき取るからはよ来んかい。」

そう言って竹刀を持った祖父君彦が部屋から出ていく。

「だからって何も毎朝竹刀で起こす必要ねぇだろ…」

そう言ってまだ重いまぶたを擦りながら階段を降り、リビングへ向かう。

「あはは、朝からすごい音なったね〜」

「笑ってないで、姉貴が起こしてくれよ。」

「やだね。私は今から寝るもん。」

姉の美恵は現在大学3年で研究に没頭するせいで大体朝帰りだ。

「てか、さっきから気になっていたんだけどその手の模様何?タトゥー?」

「俺がタトゥー入れるわけ無いだろ?何言って…」

ある、確かにある。

何この模様?

ちなみに俺はタトゥーを入れても、ましてやそんな痛々しい模様を描いて声高々にカッコつける趣味もない。

「ん?何じゃ充、探索者素質紋が出たのか。」

「なにそれ?」

「手の甲に出来た模様のことじゃ。」

そうして、祖父も手の甲を見せた。

「そりゃじいちゃんもあるか。」

あんだけ強いんだからあって当然だ。

「じゃあ俺、探索者になれるのか?」

「ちゃんと資格を取ったらな。」

ふ〜ん

「じゃあ探索者なるわ。」

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