好きな女の子が他の男と歩いてるのを見た俺の話。
Yuki@召喚獣
A:幼馴染への恋、とても素敵ですね。
Q:好きな幼馴染の女の子と付き合いたい。どうすればいいと思う?
A:幼馴染への恋、とても素敵ですね。長い時間を共有しているからこその信頼関係は最強の武器ですが、同時に**「恋人としてのドキドキ感」を生み出しにくい**という、幼馴染特有の壁もあります。
今の「安心できる関係」から「恋人関係」へステップアップするために、段階を踏んで戦略的に動く必要があります。成功率を高めるためのアプローチを整理しました。
1. 現状の「家族・親友枠」を抜け出す(異性として意識させる)
幼馴染にとって、あなたは「いて当たり前の存在」になりがちです。まずは**「あれ? こいつも男なんだな」と意識させるためのギャップ(変化)**が必要です。
「特別扱い」を始める
今まで雑に扱っていたなら、少し丁寧に接してください。
重い荷物を持つ、車道側を歩く、ドアを開けるなど、あえてベタな「レディーファースト」…………――――
そこまでAIからの回答を読んだところで、俺はスマホのアプリを閉じてホーム画面に戻った。
AIは当たり障りのないことしか言わない。わかっていたことだけど、それを再確認できるような回答を目の当たりにして俺は深く息を吐いた。
電気も消した自分の部屋のベッドの上で、一人頭を悩ませる。スマホは枕元に放り投げてしまった。
頭の中に浮かぶのは一人の女の子だ。小さい頃から仲が良くて、家も隣同士でなんなら今そこで部屋の窓から相手の部屋の窓が簡単に見える距離にいる。所謂幼馴染というやつで、幼稚園も、小学校も、中学校も、高校も同じ学校に通っている。
綺麗な艶のあるボブカットの黒髪と、やや大きな焦げ茶色の瞳。笑うと目じりが下がって可愛らしい。俺よりも頭一つ分くらい背の低い女の子。
――俺の昔からの片思い相手だった。
ひなたは小さい頃は少し男勝りで活発なところのある女の子だった。男の子の中に混じってドッジボールをしたり、虫取りなんかに行ってみたり、近所の用水路なんかで小さい魚を釣ってみたり。
友達の家に集まってゲームをして盛り上がったりしていたこともある。
もちろんずっと俺たちみたいなガキンチョと遊んでいたわけじゃなくて、女の子同士の友達とかコミュニティにも顔を出していたし、先生からの覚えもよかった。そういうところを見ると結構何でもそつなくこなせそうな雰囲気のある子供だった。
でも家が隣同士で他の子よりも過ごす時間が多かった俺から見ると、割と傷つきやすかったり悩んでいたり、そつなく生きているとはあんまり見えなかったように思う。
俺とひなたは別に元々両親の仲が良かったとか、なにか生まれる前からつながりがあったとか、そういうわけじゃない。たまたま若い夫婦が隣同士で住んでいて、たまたま同じ時期に子供ができて、たまたま同じ産婦人科にお世話になっていた。
そういうところから家同士の交流が始まって、なんだかんだと隣同士助け合いながら生きてきた。
そういう両親の影響もあって俺もひなたも子供の頃から一緒に過ごす時間が多くて、「幼馴染」という関係になるのは必然だった。
俺はひなたのことが嫌いじゃなかったし、ひなたもそうだったと思う。
小学校の頃まではそうやって男の子に混じりながら遊んでいたひなただったけど、中学校になってからは流石にそういう機会は減っていった。クラスのグループの集まりで男子グループと遊びに行くことはあっても、個別で遊んだりはしない。
分別っていうの? よくわかんないけど、そういうのをつけたかったんだと思う。
「男の子ってさぁ」
「ん?」
「ばかだよねぇ」
「なんだよいきなり」
最近の中学校とかは、男子制服、女子制服、みたいな縛りがなくてどの制服を着るかを自分で選べる。昔は選べなかったなんて話を聞いたけど、選べないとか意味わかんなくね? と思った覚えがある。
ひなたは中学の時はズボンの制服を選んでいた。なんだかんだとスカートの制服を選ぶ女子生徒が多い中でズボンだったひなたは、クラスの中で少し目立っていた。
「私、別にズボン履いてるからってそういうのじゃないのにさ。動きやすいからこっちにしてるだけなのに」
「まあ、私服でもスカートなんて履いてないしな」
「でしょぉ~? 小学校から一緒の人とか、そういうの知ってると思うんだけどなぁ」
男の子っぽい制服を着ているからといって、別にひなたが男の子っぽいってわけじゃないのに。男子の精神的ハードルが下がるのか何なのか知らないけど、他の女子に比べてやたらと男子から話しかけられていたように見えた。
男子からひなたが話しかけられるのを見かけるたびに、俺の心の奥がざわつく。何か焦りとか恐怖心みたいなものが湧きあがってきて、何もしていないのに心臓がどくどくと脈打ってしまう。
中学の頃の俺は自分の心に何が起きているのかよくわかっていなくて。
後になってから、これが「嫉妬」とか「独占欲」みたいなものだと気づいたんだ。
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