夜が少しずつ明るく、異界が遠ざかり始めた時代。
民族学者の妖道は助手の清彦と共に、怪異の謎を紐解いていく。
そこには虐げられた者の悲しみが、犠牲を呑み込んだ者の人生があった……。
妖道先生の優しくありのままを見つめる眼差しは、主張せず、語られる物語への没入感を高めてくれます。
助手の清彦の俗っぽいキャラクターがまた良いのです。
彼のお陰で重くなりすぎず、どんどんページをめくれます。
ホラーでもあり、ミステリーでもある。人情話でもある。
昔話を聞くように、ちょっと腰を下ろして、まずは数ページ覗いてみませんか。