一輪の赤い花に寄せて ff


「次の待ち合わせはずっと先」


薄暗い路地の階段であなたは空を仰いでいた。

焦がれるように。

いつものように声を掛ける直前、

その目に凄くドキドキしたの。

『明日晴れたら洗濯するから』って。

きっとそれだけじゃなかった。

空の青さと、傾きかけの太陽。

私はいま、黒い空に浮かぶ月を見てる。

もしかして。もしかして。

今度会ったら聞いてみよう。

やっぱり思い上がりかしら。

もし違ったら、『馬鹿』ってまた笑ってね。




「食卓」


また失敗しちゃったの。

あなたはどんな顔をするかしら。

ただ一皿焦げた玉子。




「花の香り」


どんな香りを纏ったら、

可愛いって思ってくれるのかな。

あなたはどんな花の香りが好きかな。

好きな人に会う為の、さりげない準備。

乙女心に気付いて。気付かないで。

大人びているのに鈍感で。

優しいくせにぶっきらぼうで意地悪。

そんなあなたが、


髪が白くなったら白いワンピースじゃ変よね。

似合う香りも変わってしまうんでしょうね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る