好きな劇作家に岩松了という方がいる。
彼が芝居の中で言っているこんな言葉がある。
「俺の掌に三つの石を並べる。
俺はその石の配置を計算して計算して、よりよくしようとしているのに、
周りのやつからは、手に石を乗せて数分間苦悩している俺の気持ちなんてわからず、
ただ『変なやつ』扱いするんだ!
手の上の三つの石! これが俺の運命を左右するのにも関わらず!」
花野井先生の作品から感じるのはこういった不条理だ。
特に今回は1話からフルスロットルだ。
これは、概念を概念するという概念の話だと私は思っている。
人間が生み出してしまった最悪な言葉「概念」
それに縛られて、可愛いタヌキは、クシャナ女王の軍参謀になってしまうという話だ。
それで済んでくれたらまあ可愛い話だったのかもしれないが、この花野井先生という方はとにかく最後まで風呂敷を、いや傷口を開き切らないと気が済まないのだろう。
今回も果てしなく話が広がっていく。
物語は、オチに向かって収束していくものだ。と思うのもそれも一つの『概念』であることを思い知らされるのではないだろうか?
もし、そう思っていたのならばいっぺんでも花野井先生の作品を読んでみることをお勧めする。
収束なんかしないぞ! むしろ広がるぞ!!
カクヨムに、こういう同士が一人でも多く現れてくれることを切にながう。
ご一読を。